はじめに
サウナにまつわるもの何かないかなーをだらだら探していたら、サウナを題材にした映画を発見したのでレンタルしてみました。
グルジアという国(どこだかわかんないんですが)で2011年に製作された『247°F』(華氏247度、すなわち摂氏120度のこと)というタイトルのスリル系の映画です。
どマイナーな映画だとは思うのですが、私の最寄りの小規模のTSUTAYAに置いてあったので、国内のレンタル展開は広く行われているようです。
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ざっくり言うとサウナに閉じ込められて脱出を図る話なんですが、どうやら実際にあった事故に基づいているらしいです。
「え、実際に起きたの…」とちょっと引きました。だって想像するだけで恐ろしいじゃないですか。私なんかサウナの1段目で12分計が1周する程度が限度ですから、閉じ込められでもしたら真っ先に脱落(人生から)するでしょうね。
あらすじ
あらすじはこんな感じ。
男2人女2人で湖畔のロッジに泊まることになって、そのロッジでサウナを見付けてウェーイって感じで酒飲みながらサウナに入ったり湖に飛び込んだりしてたら、気づいたら3人がサウナに閉じ込められちゃって、あとの1人は大麻と密造酒でラリって眠ってさぁ大変!3人の運命やいかに!
とまぁ、何ともだらしない閉じ込められ方でスリリングな展開に突入していくのです。
「そりゃそんな事故も起きるわ!てめぇらサウナなめてんのか!」と、サウナーとしては許せない気持ちになりますね。
ヤクザに刺されて入院中に傷が癒えていないのに回復をアピールしようとしてサイダーをガブ飲みした力道山を思い出しました。(でも力道山のこの逸話は実際はデマらしいですね)
感想
さて、見終えた感想ですが、あくまで私の主観で申しますと、100点満点中の15点です。めちゃ低いです。「久々に何ともいえないクソ映画観たわ!」というのが最もシンプルかつ率直な感想です。
サウナ室に主軸を置いたワンシチュエーションものですが、それなら比較にならないほど『SAW』の方がスリリングで面白いですね。ワンシチュエーションであることを全く活かせていなかったと思います。
- 出版社/メーカー: Lions Gate
- 発売日: 2006
- メディア: Blu-ray
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ストーリー自体もこう、なんというか、シンプルにつまらないんですよね…。閉じ込められたサウナからの脱出を図るときに、脱出ゲーム的な感じでちょっとずつ先に進む展開だったらわくわくするものもあるんですが、そういう感じじゃないんですよね。
力わざだったり、ちょっとだけ頭を使って何かしてみるけど失敗、で、熱いからぐったり。再チャレンジ、失敗、ぐったり、を繰り返しているだけのようなダラッとした展開です。
まぁ事実に基づいた作品なのでそこもリアルに再現しちゃったのかもしれませんね。映画としての楽しさを捨てて。
あとは圧倒的にリアリティが欠けていました。
確かに「もしもサウナに閉じ込められたら」っていう展開は、サウナーは誰しも一度くらいは想像するはずなので、共感はしやすいと思います。私もサウナに入ってて「いま地震が起きたりして扉閉まったら終わりだよなぁ」とかたまに思います。
ただ、実際に閉じ込められた状態を映像にしてもなんか地味なんですよね。「熱くて苦しい状態」っていうのが画面を通してしまうと伝わりづらくて。自分が高温サウナ入って苦しい思いをしている時の方がまだ恐怖感があります。
それでもなんとか想像を膨らまして「これくらい辛いよなぁ」って頑張って観るんですけど、その割には「お前ら酔ってるし高温多湿サウナ入りすぎな割には体力保ちすぎじゃね?」と私は思ってしまいました。冷静に考えれば「熱すぎて死にそうもう無理」って演技するのめちゃ難しいですよね。
また、B級映画ならB級映画らしく愛らしいツッコミポイントがあってしかるべきなのですが、微妙に撮り方がちゃんとしてるので作品としてはしっかり成立してしまっているんですよね。
『恐怖!キノコ男』くらいストーリーは雑、撮り方も下手、演技も下手、カメラワークも下手、CGも雑、大道具・小道具も雑、みたいなのであれば多分にツッコミどころがあるんですけど、その辺はちゃんとしちゃっているんですよ。(とはいえ『恐怖!キノコ男』もクソつまらないですが)
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まぁ良かった点としては、ロッジ内のサウナがガスでタワー型のストーンを熱する本格的なものでロウリュの道具も揃ってて、水風呂の代わりに湖に飛び込めて「こんなロッジに泊まってみたい!」とうらやましく思えたことです。
あとこれはもはや良い点でもなんでもないのですが、4人がとにかくサウナのルールやマナーを破りまくるせいで、「今のダメ!」「それもアウト!」という視点でつい見てしまい、半ば強制的にいま一度自分の中のサウナに対する倫理観を再認識することになります。
おわりに
というわけで、これは映画好きな人、そうでないライト層の人、サウナ好きの人すべての方々にオススメできない作品です。
「それでもサウナが題材になっているならば」という好事家の方か、カイジみたいな地下労働生活を終えたばかりでまだ外の世界の楽しみを味わってないという人が観れば良いと思います。
あと観とくべきは出演者の親族・友人くらいじゃないですかね。
今後はもっと清々しく観れるサウナ作品を探していきます。