ザっくりととのうサウナ入門

サウナ初心者向けにサウナについてざっくりとわかるように紹介するブログです。

【寄稿】サウナと水風呂と私、愛するサウナーのため 〜妊婦・胎児へのサウナの影響とは?〜

はじめに

ご覧の皆様、こんにちは!この度、ザっくりととのうサウナ入門さんへ寄稿させて頂きますDDD@転勤族サウナ愛好家と申します。名前は何て呼んだらいいねん…という質問がリアルでも多いのですが、D3やら3DやらDさんやら人によって呼び方がまちまちですので、好きなように呼んで頂いて構いません。自分自身でも何でこんなTwitterのアカウント名にしたのか謎ですし、特に理由もありませんから各々が好きなように呼べばいいんじゃないかと思っている次第です。

現在、僕は熊本に在住しており熊本の聖地=湯らっくすをホームサウナとして日々サウナー生活を営んでいるわけであります。もっと詳しくサウナにはまったきっかけなど僕のパーソナリティを知りたい方はザっくりととのうサウナ入門さんのサウナーインタビューをご覧下さいませ!
zakkurisauna.hateblo.jp

Twitter上ではさも九州サウナーですよ〜みたいな感じでやっておりますが、そもそもは生まれも育ちも兵庫県西宮市(甲子園のある所です)のコテコテの関西人であり、アカウント名でお気付きの通り会社都合で北は北海道・南は沖縄まで全国津々浦々の転勤族をやっております。(関西人のくせに九州サウナーの顔するなよ!と言われたらぐうの音も出ません…そもそも熊本に住んで約2年くらいしか経ってないし)なので、もしかしたらこの寄稿が掲載される時には違う土地で仕事をしながらサウナ巡りをしている可能性もあるのです。(どこかのサウナでお会いしたらお声かけくださいね)

転勤族というのは会社都合に振り回され、自身の生活や下手すれば家族も犠牲にするケースもありながら、全国を飛び回るまるで根無し草の様な状況なんです。なので、転勤族サウナーとしての悲喜こもごもが込もった文章を寄稿しようと思ったのですが、それではただの愚痴になる!ということで何かサウナーやこれからサウナに入ってみようという初心者の皆様に役に立つ内容はないのだろうか…と考えたところ、以前、Twitterでフォローしている女子サウナーが「妊婦にはサウナはどうなんだろう?妊娠したらサウナに入れないの?赤ちゃんは大丈夫?」といった呟きがあり、これは僕が何としてでも調べねば!と誰に言われたわけでもないのに妙な使命感を感じ、調査した結果を書き連ねようと思います。(この行動が責任感が強い人やなぁ…と感じるか、自己顕示欲の塊やん…と感じるかはあなた次第です!笑)

ということで、妊婦と胎児へのサウナが与える影響について、僕なりに調査した結果から推測される妊婦さんへ優しいサウナの入り方をまとめていきたいと思いますので、駄文・長文になりますが是非最後までお付き合いください!なお、これから記載していく内容はあくまでも僕なりにまとめて推測したものでございますので、妊婦・胎児には全く影響がないと断定するものではないことをご理解ください。

本題

まず妊婦さんが一番気にされることは何と言っても胎児の成長でしょう。自分の子供が無事何事もなく生まれてほしい…この気持ちを抱けない妊婦さんは居ないと思っております。
僕自身、1児の父であり、1月にはもう1人出産予定でありますので、我が子が無事に五体満足で生まれてきて欲しいという思いは非常に理解出来るのです。
妊婦さんは出来るだけ胎児に影響を与えない様に私生活がかなり制限されると思います。例えば、激しい運動がダメだったり、テーマパークなどに行ってもジェットコースターに乗れなかったり、食事も胎児に悪影響な物は避ける様に指導されたり…全ては可愛い我が子のためと思っても、中々のストレスになりますよね。特に女子サウナーが妊娠されると好きなサウナまで制限され、余計にストレスの元になるのでは?と感じるのです。上記したTwitterでの女子サウナーの叫びは切実な問題だと思うわけであり、僕は国内外問わずサウナ・水風呂の妊婦・胎児に与える影響に関して検討した報告を調査してみました。

調査方法としてPudMed (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/) を使ってサウナ・水風呂・妊婦・胎児と検索をするも、中々ヒットしない…ヒットしても非常に古い報告であり、現在の状況に当てはめていいのかわからない…という情けない結果でありました。何とかならんもんかねぇ…と考えているとサウナ=めっちゃ熱い=熱に対するストレスと変換して調べたら解決できるのでは?と思いつき、熱ストレス・妊婦・胎児と検索すると出るわ、出るわ!
熱ストレスと胎児の関係を検討したデータがあった検索結果に少し安堵しつつも、大量に報告が上がればいい訳ではなく、その中でもエビデンスレベルの高い、n数の多い調査データでなければ、あまり信頼度の高いデータとは言えないのです。

エビデンスレベルとは

エビデンスレベル?n数?何それ?と読者の皆様はお思いになると思いますので、ここで少し解説をさせて頂きます。まず、エビデンスレベルを解説する前にエビデンスとは何かをお伝えさせて頂きます。
エビデンスとは、一般的に治療法を選択する際に少しでも安全で効果のある治療方法を選ぶ際に指針として利用されるものでありまして、医療分野ではある治療法がある病気や症状に対して、効果があることを示す証拠や検証結果・臨床結果を指します。つまり、「この患者はAという病気である確率がoo%。このAという病気にB治療法はXX%の確率で効果がある」として、他の治療法と比べて最も効果のある治療法を選択する際の基準に利用されます。
言いかえれば、患者の治療に際して、効果の確率を知るための手段がエビデンスであり、この効果量がどの程度の確率で正しいかを知るための手段の客観的な基準がエビデンスなのです。

では、エビデンスレベルとは何なのかと言うと、「ある治療により効果を推定した際の確信(エビデンス)がどれくらい十分であるか示す指標」と定義されております。
つまりは、エビデンスレベルが低いデータの治療を行うより、高いデータの治療を行う方が治癒する確率が高いということです。そのため、エビデンスレベルが高いデータがあるほど信憑性が高くなると言うことになります。
エビデンスレベルの高さの指標は 以下の表の様になります。

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要するにエビデンスレベルが1aに近ければ近い試験デザイン(プロトコールと呼ばれます)であるほど、高い信憑性データであるということです。 https://www.jsh.or.jp/liver/PDF/evidence_level.pdf に詳しい表が記載してますので、
お時間のある方はご覧頂ければと思います。
ランダム化比較試験、コホート研究などの試験方法の代表例としてあげられますが、詳しく説明すると長くなりますので割愛させて頂きますが、エビデンスレベルの表をご覧頂いておわかり頂ける通り、メタアナリシスという試験デザインが最もエビデンスレベルの高いということになります。
(どの国のお医者さんも必ずエビデンスに基づいた治療法を選択されますし、大学病院などは高いエビデンスレベルの治療法を日々研究されているわけです)

n数とは

続いて、n数とはなんぞや?ということですが、端的に言うとサンプルの数のことを指します。サンプルの数が多ければ多いほど、誤差が抑えられます。ある治療法に対する効果を求めているのに、誤差が大きければその治療法はあまり信頼性は高くないですよね?そのため、出来る限りn数が多い方が確実性の高いデータが創出できるということになります。例えば、100人の母集団の平均を99人から求めれば、残りの1人がどうであろうと、大して影響されないでしょう。しかし、サンプル数が3人では、残りの97人がどうなるか見当がつきにくいので、間違うことが多くなる=危険率(p)の値は大きくなり、誤差が生じます。この危険率を出来る限り低くすること=n数を増やすことに繋がると考えて頂いて構わないと思います。(統計学的にはもっと厳密な紹介が必要ですが、そこまで説明すると僕の頭もパンクしますし、読者の皆様も疲れるでしょうから、お互いここらで納得しましょう!笑)

以上の説明で何を伝えたいのかというと、サウナが妊婦・胎児に与える影響を検討したエビデンスレベルが高く、n数の多いデータであれば、かなり信憑性が高く妊婦サウナーへ妊娠中のサウナの効能などを伝えることが出来る!ということであります。(これを言うための説明が長かったな、反省…)

データ紹介

エビデンスレベルが高く、n数多いデータはないかと亡者の様にPudMedを読み漁っていると一件ヒットしましたので、これからはそのデータを紹介させて頂きます。

2018年に論文化された報告でタイトルは熱ストレスおよび胎児のリスク−妊娠中の運動および受動的熱ストレスの環境上の限界について:最良のエビデンスを統合したシステマティックレビューというデータになります。(原題;Heat stress and fetal risk. Environmental limits for exercise and passive heat stress during pregnancy: a systematic review with best evidence synthesis. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29496695 )

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システマティックレビューってまたわけわからん単語使うなや!と言われるかもしれませんが、システマティックレビュー≒メタアナリシスと捉えて頂きたい。つまり、上記したエビデンスレベルの表で一番レベルの高い試験方法となります。もっと説明するとシステマティックレビューとは、検討したいデータが検討された過去の文献をくまなく調査することによって、データの偏りを限り無く取り除いて質の高いデータを抽出するということです。つまりは、僕の調べた報告は熱ストレスが胎児へどのようなリスクを与えるか検討した文献をくまなく調査したエビデンスレベルが高い報告ということとなります。

さっきから用語の解説ばっかりやん、御託はいいから早よ内容紹介せいや!とそろそろ皆様に言われそうなので、ここからまとめていきますよ〜。

データ解説

この研究の始まりとして、妊婦さんは母体温熱症に伴う胎児の催奇形性のリスクのために熱ストレス(例えば、過剰な運動および/または熱暴露)を避けるように勧められるが、ガイドラインでは妊娠中の身体活動を避けるために、気候と活動の重要な組み合わせという点では曖昧であり、したがって不必要に身体活動を妨げる可能性があるとあります。
要するに必要ない事まで妊娠時には制限されてるんじゃない?という疑問があり、それを解決するための研究ということです。
評価方法として2017年7月12日までに報告された熱ストレスと胎児への相関を調べた研究結果をシステマティックレビューで解析するという方法を取っております。(繰り返しになり恐縮ですが、エビデンスレベルの高い方法です)
システマティックレビューを行なった結果、12の研究報告が適確基準に合致し、n数は347例とかなり多くサンプル数が検討されています。

この研究にある母体温熱症の定義ですが≦39.0℃と定義されており、陸上運動、温浴、水中運動、サウナでの胎児への影響を検討しております。つまり、検討事項の活動を行った際に母体の体温が39.0℃を超えれば胎児への影響を及ぼすのではないかという前提で進められているということです。風邪をひいた時の様に高熱になると胎児の催奇形性が起こるのではないのか、その様な状況になる日常活動は何なのかを検討しようよ!ということですね。

では、それぞれの検討事項の基準ですが、陸上運動で25℃、45%相対湿度で最大心拍数の80%〜90%で最大35分間運動、水中運動は≦33.4℃の水温で最大45分間の運動、 温浴は40℃の環境で20分、サウナは高温/乾燥サウナ(70℃; 相対湿度15%のサウナ。日本だとかなりぬるめの設定ですね)の環境に20分入ってもらうという基準です。
以上の基準での結果ですが、最も高い個々の母体温(要するにサンプルの中の最高値)は38.9℃で、平均値は催奇性の閾値よりも0.7℃低いと言う結果でした。平均の体温は陸上運動では38.3℃、水中運動では37.5℃、湯浴の場合は36.9℃、サウナの場合は37.6℃という結果で、こちらも催奇形性の閾値より低い結果が出ています。

要約するとサウナも温浴も胎児の催奇形性を引き起こすほど母体の温度は高くならないよ!そこまで制限しなくてもいいのでは?という結果がわかったという報告になりますね。

ね、女性サウナーは朗報でしょ?無理なく入れば、妊娠中もサウナは楽しめるということが、エビデンスレベルの高いデータからもお分かり頂けたのではないかと思います。
ただ、この研究の一つ問題点として、検討されているサウナの環境が日本のサウナとセッティングが違うことですね。70℃で湿度15%のサウナってかなりの低温サウナなのではないでしょうか?実際に女性風呂のサウナには入ったことがないので、どの様なセッティングをされているのかわかりませんが、男性のサウナのセッティングは少なくとも80℃は上回ることが多い気がします。この辺もそれぞれの国によってサウナ事情の違いがあるということなんでしょうね。

まとめ

この報告から女性サウナーにオススメできるサウナの入り方としては、
低温サウナ(ミストサウナなども含む)の方が胎児にも母体にも良さげであり、20分以上入ることは止めること
②妊娠中はつわりや体調の変化が激しい方もいらっしゃるので、決して無理はせず、苦しくなればすぐにサウナから出ること(当たり前かもしれませんが)
③もし何か体調の不良を感じたら遠慮なく周りや店員に伝えること
以上のことを守って入ることが重要かと思います。

ここまでダラダラと長文を書いて何当たり前のこと言っちゃってるの?と思われるかもしれませんが、僕は女性サウナー・妊婦サウナー・ママさんサウナーにも安心してサウナを楽しんで欲しいんです。サウナに入れば日頃の悩みや不安などが和らぐのはサウナー全員が共感できると思いますし、人類皆兄弟ならぬサウナー皆兄弟でしょ?妊婦さん・ママさんって何だかんだストレスが溜まるものだと思いますよ。僕の妻は妊娠時につわりなどなかったですが、腰痛に苦しんでいる姿を目の当たりにして、男には無い辛さを感じてるんだろうなと思いました。
だから、少しでも安心にサウナに入る。それがストレスの解消に繋がれば素晴らしいことだと思いません?僕はサウナは全ての人にとって平等であるべきだと思うのです。男女問わず、サウナー全員が幸せになり、これからサウナに入ってみようと興味を抱いている方へも手を差し伸べるサウナ界であれば、これほど素敵なことはないと思いますよ。
話が脱線しましたが、僕が調べたことから判明したのは胎児への影響を調べた研究もあるので、適切に利用されるとこれからも良きサウナライフが送れるということであります!
色々調べると妊婦さんに良い薬草サウナなどもヒットしたので、その辺の紹介はまたの機会にさせて頂こうと思います!(てか、次回はあるのか?)

こんな駄文の寄稿を快く受け入れてくれたザっくりととのうサウナ入門さん、ここまでご覧頂いた皆様に感謝を申し上げるとともに、最後に皆様にお伝えしたいことがあります。

May the Sauna be with you!(サウナと共にあらんことを!)

(DDD@転勤族サウナ愛好家)
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