はじめに
どうも、サウナ界の池上彰を目指すサウ上彰ことやのしんです。
前回は大サウナ博の感想を綴った特別編でしたが、また舵を元に戻しましてひとりの熱波師さんをピックアップしたものを書いていきます。
今回は第四回大サウナ博におけるチャンピオンカーニバルの覇者であり、熱波甲子園2連覇中の大森熱狼(おおもり あつろう)氏。
第四回大サウナ博の熱波パフォーマンスにより熱狼氏の実力の凄さは知っていましたが、その時はサウナ室は熱くない状態での3分間のパフォーマンスだったので本来の熱いサウナ室でのロウリュをぜひ体験したいという気持ちが高まっておりました。
そんなところに、「熱狼氏がレインボー新小岩店でロウリュイベントをやる」という情報が偶然店舗オフィシャルのLINEから入ったものですから、私は迷わずそこを訪れることにしました。
ワッショイ熱波
さて当日。前回レジェンドゆう氏のロウリュを受けに行ったときに、店舗で行われる4回のロウリュを全部通しで受けたら翌日ヘロヘロになってしまった教訓を活かし、「1回だけにしておこう」と決めてお店に入りました。
さすが現役チャンプだけあってロウリュの時間になるとサウナ室は満床。
熱狼氏と店舗のスタッフさんのコンビでイベントが始まります。
大サウナ博では弱・中・強など使い分けた4種類の風で観客を魅了した熱狼氏なのできっとそれが見られるだろうと思ったら意外や意外、技術で魅せる系ではなくエンタメ系のロウリュが行われました。
熱狼氏の主導でスタッフさんをちょこっとイジるような掛け合いで場を和ませて、「ワッショイ!」という熱狼氏のコールに対するお客さんの「ワッショイ!」というレスポンスで場が熱気を帯び、ストロングなスイングで熱波を送る熱狼氏。それを2回やったあと、ひとりひとりが立った状態で2人掛かりで前と後ろから3発熱波を送ってフィニッシュ。
最初に描いていたイメージとは異なりましたが、楽しく気持ちよくなるロウリュでした。
ただ、熱狼氏いわくこれは2種類あるロウリュのうちのひとつなんだと。
一日4回ロウリュがあるので、奇数回はワッショイ熱波で、偶数回は4種類の風を使ったロウリュをやるのだと。
ならば1回ではダメだ!ということで、次の回も受けることを心に決めました。
肩もみタイム
なお、熱狼氏のロウリュ後にはなんと肩もみサービスがあって、元ボディケアの経歴をお持ちの熱狼氏が希望者の肩を1人5分くらいもんでくださるのです。
「せっかくなら受けてみよう」とロウリュ後まずシャワーで汗を流していると、なんと熱狼氏から私に声を掛けて下さり、ブログを読んでいるということでご挨拶をしに来て下さったのです。
なんと!?
ハイパー畏れ多かったのでこちらもペコペコしてご挨拶させて頂き、お声かけくださった喜びを携えて肩もみサービスにも甘えてしまうことに。
その熱狼氏の肩もみが気持ちいいのなんのって!
熱狼氏は指圧の力がかなり強いのですが、一方的な強さで押していくのではなく、対話形式で肩の状態を聞いたり押す強さを確認しながら調整してくれるので、とても丁度良い強さで肩をもんでくれます。
その間に色々話をさせてもらったのですが、「ブログで熱波師を特集する記事を書いていて、熱狼氏の記事も書きたいんです」とお伝えしたらインタビューを快諾して下さりました。2回目のロウリュ後にレストランで、とお約束。
2回目
そして2回目のロウリュ。
1回目よりも人がパンパンで中には入れずに諦めてしまった方もいるほど。
予告通り1回目とは違う内容で、ストーンにアロマ水をかける毎に扇ぐ風を弱・中・強と段階的に強くしていきます。
というはずなのですが、スタッフさんが中々にアバウトな方で、熱狼氏が弱の風を扇いでる最中でも次のアロマ水をストーンにかけちゃったりします。「なんでかけちゃったの?」と熱狼氏が聞くと「熱さが足りなかったから!」と朗らかに答えるのだから場は笑いで包まれてしまいます。
この回は掛け合いが合っているんだか合っていないんだかよくわからない感じがとても良い塩梅でいっそう楽しく感じました。
弱い風にも2種類あって、全身をなでるようなふんわりとしたものと、スーッと後ろに抜けていくような感覚のするもの。これを使い分けられるってすごいなーと感心してしまいます。
そしてタオルの持ち方を変えて中・強とやっていく。中の風で盛り上がりを感じ、強の風で熱さをガッと浴びる。
見惚れているうちに気づけばあっという間に汗だくになっています。
そして最後は1回目と同様に立った状態で2人掛かりで前後から3発熱波を浴びて終了。
2種類のロウリュを連続で受けてワンセットという感じですね。大大大満足でした。
レストランにて
着替えて約束のレストランスペースに移動。
Twitterでカレーが絶品との噂だったのでそれを食べようと思っていたら、肩もみ中に熱狼氏に「カレーも美味しいですが、土曜限定の酸辣湯麺(スーラータンメン)もかなりおすすめですよ!」と教えて頂いたのでそちらを頼もうかと。
なんでも、酸辣湯麺大好きなスタッフが有名なお店を20件以上巡って味を研究して、試作に試作を重ねて出来上がったのだとか。
それは頼まなきゃでしょ!と思っていたのですが、ホールの名物おばちゃん(お笑い芸人の我が家・杉山に似ている)が全然オーダーを取りに来てくれないので頼む前に熱狼氏が来てしまいました(笑)
なので酸辣湯麺は一旦置いておいて早速お話を伺うことに。
ロウリュとの出会い~独立
熱狼氏がロウリュを始めたのは7年ほど前のこと。
元々ボディケアの仕事をされていて、その会社の配置転換でとある温浴施設の店長を半年だけやることになり、その店長業務の中にロウリュが含まれていたのだそうです。
それでロウリュをやってみたところ、一度に大勢のお客さんと対面でコミュニケーション出来ることに大きな喜びを感じたのだとか。ボディケアは1対1の会話で顔を合わせないですから、そのギャップは大きいですよね。
あとはロウリュをやった後に飲むビールがめちゃくちゃ美味くて最高だったのだそうです(今でもそれが最高の楽しみだ、と)。普通にサウナに入った後に飲むビールとロウリュをやった後のビールでは全然違うんだとか。
その後また配置転換で今度は営業をやることになったとき、熱狼氏は勝手に名刺を細工して「営業部 熱波課」という課を作り出し、社長も「いいんじゃない」とラフな感じでオッケーをもらったのでそれを持って営業活動を開始。
「熱波もやりますよ」を売り文句に、営業に行ってはスーツの恰好のままでロウリュを行い、そしてそのまま帰って行くというかなり個性的な活動をしたんだとか。効果はてきめんで存在を認知してもらうにはかなり良かったそうです。
ただスーツの消耗が激しく、かといって毎日クリーニングしてたらお金がもたなくなるので家の洗濯機で普通に洗ってたそうで、そしたらスーツがフワッフワになったそうです(笑)
そうして続けていた仕事も、故あって円満な形で退職。
その時にロウリュ一本で食べていくことを決めたということですが、始めた当初は月に4日くらいしか仕事がなかったのだとか。
それでも地道に活動を続けて、自ら営業もして活動の場を広げていったのだそうです。
秋山温泉との出会い
そんな割と行き当たりばったりでその時楽しめるものを選択して成功していったような熱狼氏ですが、大きな悩みにぶち当たったときもあったそうです。
それは「バカになれないこと」。(夢中になりきれない、演ずることに徹しきれない、というニュアンスの)
井上皇帝や重本大輔氏がその系統だったとのことですが、当時熱狼氏もワッショイ熱波でテンションで盛り上げるようなスタイル一本だったようで、同じような土俵に居ながら片やバカになりきって盛り上げる彼らがいて、そうなりきれない自分にもやもやを感じていたそうです。
そんなときに熱波甲子園で出会ったのが渡辺純一氏率いる秋山温泉。
秋山温泉の「やさしい風」を送る高いタオル技術に感銘を受けて「これだ!」とビッと来たそうです。
そこで秋山温泉にお願いして修行をさせてもらうことになります。
基礎的なことから応用まで徹底的にタオルを振りまくるので、修行に行った日は体が筋肉痛でバキバキになってしまうほど。
そこでの鍛錬によって弱・中・強のタオルさばきを身につけたことで悩みを打ち破り、自分のスタイルを確立して熱波甲子園を2017年、2018年と連覇することになります。
しかし、今でも秋山温泉には定期的に通って技術を磨いているそうで、「行く度に発見がある」とのことでした。
「秋山温泉があってこそ今の自分がある」と熱狼氏ははっきりと仰っていました。
今後の展望
すごいのが、熱狼氏はプロとして独立してから3年間で一度も仕事に穴を空けたことがないのです。
元々柔道をされていたこともありとてもがっしりとした体格で基礎的な体力は十分にあるのですが、それでもちょっと調子がいまいちなときも気合いでなんとかやりきったそうです。いくらプロだからとはいえ、不調時にあの熱いサウナ内でタオルを振り続けることをやりきれてしまうっていうのはすごいとしか言いようがありません。
とはいえ、熱狼氏はお歳が40代半ばということで徐々に体力の衰えを感じているようで、いまは意識的に毎日1時間以上自転車に乗って体力を作っているそうです。
そして「今後の展望は?」と尋ねてみたところ、「特にない」と(笑)
「お弟子さんを取ったりはしないのですか?」との問いには、それをやるよりは熱波師を組織化して運営していく団体を作るべきなんだろうなと考えているそうなのですが、それをやるには色々計画を立てなくてはいけないので、それが億劫で着手していないのだそうです。
性格的に飽き症で長期的な計画を立てるのが苦手だという、私自身も強く共感できる部分がおありなのだそうです。やるべきなのはわかるけど考えると途方もなくてやめてしまう感じ、とてもよくわかります。
その代り、というほどでもないようですが、行く先々で施設のスタッフから教えを乞われれば快く技術を教えているのだそう。
熱狼氏の理想は「施設に熱狼氏がいらなくなること」なんだそうです。それくらいロウリュの質が上がってくれればそれで良くて、そうなったら自分は次の施設へと行くだけだと。
この考え方にはとても共感できます。
ちょっと私の話になってしまいますが、私が管理職を務めるときはいつも「私がいなくても現場が回るようになること」を目標にしています。私が必要なうちはチームとしては未熟で、私がいらなくなって初めてチームとして完成するのだと。そしてそうなれば私は他の現場に行けばいい。そんなことを考えています。
似た性格だからわかるんですが、こういうタイプの人間は人から必要とされたり感謝されるとやる気を出すタイプです。なので、熱狼氏の描く組織化計画が必要だ!と思う人は熱狼氏を積極的に担ぎ上げると良いと思います。そうしたらきっと重い腰を上げてくれるはずです。熱狼氏は超やさしいですから。
おわりに
そんなこんな他にも色々お話して「これを記事にまとめさせて頂きます」と締めようとしたら、「ひとつだけお願いが」と熱狼氏が仰るので伺ったところ、「この場を利用させてくれた店舗の宣伝をお願いします」と。
もう、なんて良い人なの!惚れてまうやろ!
というわけでしっかり宣伝します。ま、と言っても僕の素直な主観でしか宣伝しませんけど。
まずね、レインボー新小岩店は何と言っても今の時期LINEクーポンがえげつないんですよ。友達登録したら3時間無料クーポンが3つもらえるんです。ヤバくないですか?
page.line.me
私も今回そのクーポンをしっかり使っていますからね。
あと酸辣湯麺が美味い!土曜限定だから土曜は絶対これですよ。まぁまだ他店をそんなに食べ比べてないので母数が少ないですが、それでも今まで食べてきた中で一番酸味と辛味のバランスが丁度いいです。止まらなくてスープを完飲してしまいました。
他に食べ物でいえば、カレーが一番人気なんですって。レトルト感のないちゃんと作られた中辛の味が堪らないんだとか。Twitter上でも絶賛している方がいたので、次来た時はカレーを食べようと思っています。
※公式から拝借
あとレストランにはホールの名物おばちゃんがいるんですよ。我が家の杉山に似た。でも性格は我が家の杉山とは似ても似つかなくて、陽気で明るくてめちゃ愛くるしいんです。カタコトの日本語で言葉遣いが割と雑だったりするし、オーダー取りに来るのが遅かったりするんですが、愛くるしいから許しちゃう。そういうのって良いですよね。
サウナは中温中高湿のナイスセッティングで、「良い室温ですね」(サウ上彰だけに)。
水風呂は17℃くらいと24℃くらいの2種類があります。
サウナ→冷水風呂→温水風呂の流れはめちゃ気持ちいいです。温水風呂の上を眺めるとダヴィンチのアレみたいな太陽の絵があって、それを観てると自分が何の時代のどこにいるんだかわけわかんなくなってきて好きです。
※ダヴィンチのアレ
それと浴室内に入った時なんかしきじみたいな匂いがする気がするんですけど、それがどこから来てるのかは謎です。
そんなところです。
色々言いましたが百聞は一見にしかずなので、とにかく一回無料クーポンで行ってみたら良いと思います。
最後に熱狼氏と一緒に撮った写真をのっけてサヨウナラ。