はじめに
銭湯検定4級については過去の記事で紹介しました。
http://zakkurisauna.hateblo.jp/entry/2018/10/09/195913
今回はワンランク上の銭湯検定3級の取得方法について解説していきます。
銭湯検定3級の概要
- 実施日:10月上旬の日曜日あたり(銭湯の日(10月10日)に合わせているものと推測)
- 定員:先着50名(年によって増減あり)
- 受験方法:指定の会場(都内)にて筆記試験
- 受験料:3000円
- 受験資格:4級試験の合格者、もしくは銭湯お遍路にて26浴場を達成している方
- 試験範囲:公式テキスト『銭湯検定公式テキストⅠ』から8割程度、それ以外から2割程度
- 試験時間:40分
- 出題形式:選択形式(3択)が8割、○×形式が1割、記述形式が1割程度
- 合格基準:60%以上の正解
- 合否通知:1ヶ月程度
- 勉強時間:40時間程度
- 運営:日本銭湯文化協会(03-5687-2635)
- 有資格者特典:名誉
- 作者: 社団法人日本銭湯文化協会,町田忍,米山勇,町田忍米山勇
- 出版社/メーカー: 草隆社
- 発売日: 2009/07/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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解説
特徴
4級に比べて3級はだいぶ検定っぽくなります。
筆記試験を都内の会場で行うということが最大の特徴です。
この時点で地方の方にとっては悩ましいものとなりますよね^^;
ただ、2017年からは検定が午前中に行われ、お昼から同会場で「銭湯サポーターフォーラム」(主催:東京都浴場組合)という銭湯ファンの交流会が開催されます。
このイベントではライブペインティングや銭湯経営者のディスカッションや抽選会など様々な催しがあるので、検定とセットで参加すれば十分楽しめると思います。
まぁフォーラムの主催が東京都浴場組合なので、話題は東京の銭湯事情になってしまいますし、参加する銭湯ファンも都内の方がほとんどなのですが^^;
試験範囲・勉強時間について
試験範囲は4級と基本的には変わりません。
ただ、4級は書籍・インターネットでの調査可でしたが、3級は自力で回答しなければなりません。
なので、ちゃんと勉強をする必要があります。
上記の概要にて勉強時間の目安を40時間程度としましたが、内訳はこんな感じです。
- 公式テキスト読み込み(1周15時間×2回)
- 『銭湯遺産』読み込み(10時間)
何と言っても公式テキストは出題の8割を占めますから、しっかり読み込んでおきましょう。
最低でも2周は読んでおくべきでしょう。
マーカー引いたり、時には書いたりして。
そして、いきなり『銭湯遺産』という書籍が出てきて「何それ?」と思われたことでしょう。
『銭湯遺産』は公式テキストを監修されている町田忍さんの書籍で、2018年の試験ではその書籍からの出題が大問のひとつとしてありました。
また、過去の3級試験受験者も『銭湯遺産』からの出題があったと言っています。
なので読んでおいた方がベターなのですが、必須ではないです。
というのも、配点でいえば1割程度なので、仮にそこが答えられなくても十分合格できます。
『銭湯遺産』は名湯をカラー写真つきで丁寧に解説してあって面白いのですが、お値段が6000円以上するという難点があります^^;
銭湯ファンとしては持っていて損のない書籍であることは間違いありませんが、試験のことだけを考えれば、まぁ無くても大丈夫だろうなと思います。
- 作者: 町田忍
- 出版社/メーカー: 戎光祥出版
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公式テキストで8割、『銭湯遺産』で1割、じゃあ残りの1割は?というのが気になりますよね。
残りは現在の銭湯業界の豆知識的なものになります。
2018年の出題でいえば、「浴場組合公式キャラクターの名前は?」とか「銭湯の日を記念して都内の浴場で行われるイベントは何湯まつり?」とか。
普段から銭湯の話題にアンテナを張っていれば難なく答えられますが、そうでないとどうにも対策しようのないものです。
なので、受験するぞと決めたら日々銭湯のニュースはキャッチするようにしましょう。
問題例
問題の質や出題の傾向については4級とあまりかわりません。
銭湯の歴史にまつわる問題の割合が最も高いです。次いで銭湯の建築様式について、その次が銭湯豆知識といったところでしょうか。
ただ、2018年の記述問題はちょっと難しいものでした。
公式テキストに出てくる銭湯の川柳が虫食いになっていて、「ここに入る漢字を記入しなさい」というものでした。
重箱の隅をつつくような、学校の社会の先生とかが好んで出してきそうなコアな問題でしたね。
なお、過去の記述問題では銭湯の名前を書くような問題もあったようなので、こちらは年によって変化があるのかもしれません。
問題のテイストはだいたいこんな感じです。
※過去問ではなく、あくまで私が作った例題です。
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・例題
【1】木槽類を扱う職人のことを( )と呼ぶ。
①穴蔵屋 ②釜屋 ③桶屋
【2】平成30年4月1日現在、全国で最も大人の入浴料金が高いのは東京都である。○か×か。
【3】次のうち「銭湯のゴールデン・トライアングル」に入らない銭湯はどれか。
①大黒湯 ②タカラ湯 ③キカイ湯
【4】次の川柳の( )に入る漢字1字を記入しなさい。「手( )をあてて湯番をにじている」
・解答
【1】① 【2】×(正解は神奈川県) 【3】③ 【4】拭
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参考にしてみて下さい。
おわりに
4級に比べてだいぶ難易度が上がったことがおわかりになったかと思います。
ただ、その分勉強のしがいがあります。
歴史を一から学んで行くと、意外な人物が銭湯の発展に貢献していることがわかったり、何気ない銭湯の建築にも「こんな意味があったのか」と奥行きが深まったりします。
真の銭湯ファンなら3級を取ってこそ、ではないでしょうか。地方の方にとっては受験地という点でハードルが高いのは前述の通りですが^^;
3級の資格を取ると、おそらく2級への受験資格が得られるのだろうと推測されるのですが、どういうわけか2級は2011年に行われて以降実施されていないんですね。
というわけで3級を取ることで得られるのは知識と名誉のみということになりますが、それでも十分という方はぜひ受験してみてください。