はじめに
まことしやかにささやかれている『サウナにはダイエット効果がある』という甘い言葉。
でも、サウナが好きな人って、スリムじゃない人も結構多いですよね?
果たして本当にダイエット効果はあるのかどうか、ガッツリと調べてみました。
よく言われている効果の検討
まず、謳われがちなものについて考えてみようと思います。
サウナ浴後は体重が減っている
これは当たり前です。汗かいてますからね。
汗の量は人それぞれですが、健康な成人男性で、90℃10分のサウナ浴1回あたり約400mlというデータは見つけました。
汗をかいたぶん減っただけなので、水分補給をすれば元通りです。
ちなみに消費カロリーもサウナ浴10分で30kcal程度ですので直接的な効果はほぼ無いと言えそうです。
血流が良くなり、新陳代謝がアップして痩せやすい体質になる
これは初めてみたときから気になっていたのですが、「新陳代謝と基礎代謝の意味を履き違えてるのでは?」と思ったんですね。
仮にもし基礎代謝がアップするとすればダイエットに効果があると思うのですが、新陳代謝がアップしてもダイエットには大して関係がないはずなのです。
基礎代謝について
まず基礎代謝そのものの説明ですが、ざっくり言うと「生きていくのに最低限必要になるエネルギー」のことです。
つまり、「基礎代謝が上がる=生活している時の消費エネルギーが増える」ということなんですね。
サウナに入ることで、基礎代謝は一時的に上昇します。
サウナ浴により体温が1℃~1.5℃程度上昇しますが、基礎代謝は1℃あたり15%程度上昇するので、確かに一時的にエネルギーを消費しやすい状態になります。
しかし、残念ながら、4時間程度で元に戻ってしまうようです。
まぁ一時的とはいえ、一応ひとつ小さな効果があることがわかりました。
新陳代謝について
新陳代謝は平たく言えば「細胞の入れ替わり」です。
これ、ダイエットと関係ないですよね?
「新陳代謝アップがダイエットにつながる」と解説しているサイトをいろいろ見たら、「汗をかくことで新陳代謝がアップして、老廃物が排出されて良い」みたいな理屈なんですね。
これについては次の見出しで詳しく説明しているので、このまま読み進めて下さい。
汗をかくことで老廃物を排出しデトックス
これこそ大きな誤りなのですが、実は「ただ汗をかいても老廃物は排出されない」んです。
これについては以下のサイトに詳しく書いてあるので、ぜひお読みになってください。
調べれば他にも色々と研究結果は出てきますが、デトックスを謳うものには基本的に科学的根拠が無いので、論じるまでもないでしょう。
ポジティブ要素の検討
よく言われている効果について検討してみると、さほどダイエットに効果はなさそうですが、それ以外にポジティブな要素はないものかと調べてみました。
すると、いくつか効果がありそうなものを見つけました。
素人目に見て、ちゃんと効果がありそうだな、と思ったものを紹介していきます。
①褐色脂肪細胞の活性化
②モナリザ症候群の回避
①褐色脂肪細胞の活性化
皮下脂肪や内臓脂肪など、一般に「脂肪」と呼ばれるものは、厳密には「白色脂肪細胞」と言います。
これはエネルギーを蓄える役割を持っているので、過剰にカロリーを取り込むと消費されずに溜まっていき、太っていくわけですね。
これに対し「褐色脂肪細胞」は、熱を起こす役割を持つ"脂肪を燃やす脂肪"とのこと。
褐色脂肪細胞が活性化するとエネルギー消費が高まるため、太りにくくなるわけですね。
この褐色脂肪細胞ですが、加齢により減少していくので、意識的に活性化させてやらねばなりません。
サウナ浴によって褐色脂肪細胞を活性化させる方法が3つあるのでご紹介します。
サウナに入り体温を上げる
まずはHSP(ヒートショックプロテイン)の増加による褐色脂肪細胞の活性化です。
HSP研究所によると、
「体温38℃をこえ(細胞が熱ストレスを感じ)、保温(10-15分間37℃以上を維持して体の芯まで温まり、熱が体にこもる状態)ができれば、HSPは増加すると思われます。」
との記述があるので、10分程度のサウナ浴で十分かと思います。
水風呂に入り、体に寒冷刺激を与える
しかしHSPによる活性化は間接的なものですので、より効果的なのが2つ目の水風呂による活性化。
褐色脂肪細胞は熱を起こす役割を持つので、寒冷刺激が一番効果的とのことです。
脳が寒さを感じ、交感神経系を通じて褐色脂肪細胞に働きかけ体温を維持しようとする、という仕組みです。
生きるために直接、褐色脂肪細胞のスイッチを入れるのでコチラのほうが効果が大きそうですね。
脳がパニックを起こすくらいの寒冷刺激があった方が良いみたいなので、常にシングル(一桁台の水温)を求める「水風呂の温度は低ければ低いほどイイ派」の方々には朗報ですね。
サウナヨガ
3つ目は、我々しぞ~かサウナ倶楽部のオススメ「サウナヨガ」です。
褐色脂肪細胞は首の周り、肩甲骨周り、背骨周りなどに集中しているそうです。
現代人は首や肩のコリがひどく血流が悪い上姿勢が悪いですが、この時点でよろしくないと。
ということで、このあたりを重点的にほぐして上げて血流を良くすることで、褐色脂肪細胞が活性化する可能性があります。
是非、サウナヨガを生活の一部に導入しましょう。
※褐色脂肪細胞の情報に関してはいろいろ見た中でここがシンプルでわかりやすかったです。是非ご覧くださいね。
fufufu.rohto.co.jp
②「モナリザ症候群」の回避
ルーブルにいるモナリザではありません。
「Most Obesity kNown Are Low In Sympathetic Activity」の略だそうです。
ほとんどの肥満者は交感神経の働きが衰えている、と。(knownのNを取るあたりなんか無理やり感が…🤔)
さて、このモナリザ症候群、国際肥満学会において「肥満の人の7割が当てはまる」と発表されました。
交感神経とはアクティブな方です。日中アドレナリンを出して活発に動けるように働くのですが、このアドレナリンがエネルギー消費と脂肪燃焼する効果を持ちます。
そして、夜はリラックスする方の副交感神経が優位になるのが通常です。
このバランスが崩れて、「交感神経がサボってる時間が長くなるとモナリザ症候群に陥り肥満へまっしぐら」、という話なのです。
つまり、交感神経がばっちり働くようにしてあげれば良いわけです。
「サウナ→水風呂→休憩」のサイクルは、交感神経と副交感神経を強制的にスイッチさせる効果があるので、交感神経がきちんと機能するようになるのです。
更にサウナ後は、睡眠の質もアップするので、翌朝は交感神経がしっかり働くようになります。
つまり、サウナによる一番のダイエット効果は、この「モナリザ症候群」の回避だったのです!
※モナリザ症候群に関してはコチラをどうぞ↓
diamond.jp
おわりに
さて、以上を踏まえた我々の結論としては、サウナはダイエットに直接的な効果はないですが、「太りにくい体作りには有効である」と言えそうです🤔
またHSPの増加や自律神経を整えることは、肉体だけでなく精神衛生上もプラスの作用があります。
精神の安定は過食の抑制にもなるので、そういった意味でもちょっとは効果ありですね。
いずれにせよ、サウナだけで痩せよう、というのは難しいと言わざるを得ないので、「サウナ×運動」など、何かと組み合わせることでダイエットに取り組んでいきましょう!