はじめに
ある日、僕の運営ブログの問合せフォームにピップ社さんから「サウナに関するオンライントークイベントをやるので取材していただけないか」というメッセージが届きました。
正直悩みました。というのも「PR案件はやりたくない」と強く思っていたり、「ただイベントレポートしても別に面白くないよな」とか考えたりする一方で、大きい企業さんがサウナに関するイベントをやって下さるのは嬉しいので裏側を知ってみたいという気持ちもあって。
それで、悩んだ末に素直にそれをそのまま伝えてみたんですけど、お返事が「PRは不要で、感じたままを記事にしていただきたい」というご回答で、それがすごく好印象だったので今回取材させて頂くことにしました。
結果としてとても得るものの大きい取材となったので、皆さんに体験談をシェアする感覚で記事をお届けしたく筆を取りました。割と「へぇ~」と思うような内容も多いと思うので、ライトに読んでみていただけたら幸いです。
ピップ・松浦由典さんプロフィール
松浦由典
大学卒業後、米国留学を経て、2016年ピップ入社。同社の看板商品「ピップエレキバン」の50周年プロジェクトでリーダーを務める。
50年間、コリについて考え続けてきたピップが、人間工学やファッション、サウナ、ゲーム配信など、様々なテーマを通じて、改めてコリについて考える機会を創出する『コリナイ・プロジェクト』を発足。
また、同社のスポーツケアブランド、プロ・フィッツのYouTubeチャンネル内の企画でフルマラソンにも挑戦。2回目のマラソンで前年よりタイムを30分縮め、サブ3.5達成の快挙を達成。
▼「コリナイ・プロジェクト」webサイト
elekiban.pipjapan.co.jp
松浦さんインタビュー
(※こちらのインタビューはトークイベント前日の6/27に実施したものです)
–– 今回はどういった背景でサウナのオンライントークイベントを行うことになったのですか?
弊社の看板商品である『ピップエレキバン』が、今年で発売50周年を迎えるんですね。ピップエレキバンは体のこりを解消する医療機器として長くご愛顧頂いている商品なので、この機会に改めて体のこり、特に日本の国民病とも呼ばれる「肩こり」について情報発信をしようということで「コリナイ・プロジェクト」というものが立ち上がりました。
とはいえ、ただ真面目に肩こりについて論じても皆さんに興味を持ってもらえないので、二つの企画を立ち上げました。ひとつは、ファッションの観点から肩こりを考える「コリナイ・コレクション」という企画です。文化服装学院の方々と千葉大学の教授にご協力頂き、構造的にもデザイン的にも肩がこらない服の開発をおこなっています。
そしてもうひとつ、よりエンタメ性を持たせた企画として、肩こりと関連性のあるアクティビティの専門家をお招きしたオンライントークセッション「コリナイ・カタリバ」を実施することにしました。
–– 商品について不勉強で申し訳ないのですが、実際の効果としてピップエレキバンは特に肩こりに効く商品なのですか?
いえ、基本的にはピップエレキバンは「血行改善」の効果がある医療機器なので、首より下のこりがある部分であればどこでも効果が期待できるものです。ただお客様の利用状況を分析すると、肩こり解消のために利用している方がメインになっています。
でも一方で、若い世代の方々には「親世代や高齢世代が使うもの」というイメージも持たれてしまっているのも実情で、今回のプロジェクトではそのイメージを変えていけたらという思いもあります。今は若い世代の方でも肩こりで悩む人が増えているので、早いうちから自分に合った肩こりケア方法を見つけてもらいたいなと思っています。
そういう機会になるように「コリナイ・カタリバ」のテーマとして、若い世代に注目されている「サウナ」「身体づくり」「ゲーム配信」を取り上げることにしました。趣味の話題の延長として肩こりケアにポジティブに向き合ってもらえたらと思いますし、その選択肢のひとつとしてピップエレキバンを知ってもらえたら嬉しいなと思っています。
かといっていかにも企業のイベントですといったような商品ゴリ押しの発信はしたくなくて、あくまで中心は趣味の話で楽しんでもらって、その流れで肩こりについても少し触れてもらうくらいで良いなと思っています。
–– トークテーマの初回に「サウナ」を持ってきた意図について教えて頂けますか?
正直なところ、プロジェクトメンバーの中にサウナ好きがいるわけではないんですが、最近、ネットを利用したときに以前より明らかにサウナに関する情報が入って来るようになったんです。
私自身はランニングが趣味なんですが、Twitterで同じ趣味の方をフォローしていると、ランニングステーションとして銭湯を利用してランニング後のケアでサウナを利用するというツイートをよく見るようになりました。他にも、好きなタレントさんのプロフィールにサウナについての言及があったり。
それ以外でも「サ活」や「サ飯」などの言葉は一般化されてきたように感じており、非常に勢いのある分野だと思ったので初回のテーマとして扱うことにしました。
–– 知らない分野についてのイベントを企画するというのはコンテンツの構成が難しいかと思いますが、どうやって作っていかれたのですか?
まず大前提として、詳しく知らない分野のものを知ったかぶったフリをせず謙虚な気持ちで取り組もうと考えました。その上で自分たちなりにリサーチして、色んな方の発信内容を見たりして、取り組みが面白い方や掛け合わせの面白さを考えてキャスティングを行いました。
マグ万平さんは芸人をされながらサウナの魅力を発信されているというのが面白かったですし、ととのえ親方さんは様々な経営をされながら趣味のサウナも事業の一つにしてしまったパワフルさがあって、それぞれ違ったアプローチでサウナに関わっているお二人を掛け合わせたら面白そうだなと思いました。
–– 予定調和なイベントというよりは、どのように化学反応が生まれるかを楽しむような実験的な内容なんですね。
そうですね、台本についても大まかな質問がいくつか用意してあるだけで、そこでどんな話が展開されるかは出たとこ勝負です。お二人が会話されている様子を見たこともないので、どのような雰囲気になるかもわかりませんが、そういったワクワク感があった方が企画している我々もお客さんも楽しいですよね。
企業イベント感を消したいから会社の人間は登場しないですし、MCの方も専門の方にお願いしています。サウナが好きな方、サウナに興味がある方にとって純粋に楽しいイベントにしたいですね。これを視聴することでサウナに行きたい気持ちが強まったり、サウナ後に肩こりに変化があるかを意識してもらえるようになってもらえたらと思います。
もちろんこれをきっかけにピップエレキバンにちょっとでも関心を持ってもらえたら嬉しいですけど、それはおまけ要素です。
※ ※ ※
–– トークイベントとは別に、今後サウナと絡めてやってみたい取り組みはありますか?
これはまだ私の頭の中だけの妄想ですが、サウナ上がりのオロポみたいに、「サウナ上がりにピップエレキバンを貼る」というのが習慣のひとつになるような展開をしていけたら面白そうだなと思います。やはりどちらも肩こりケアの手段のひとつで、親和性は高いので。
–– 効果について、サウナとの相乗効果は期待できるんですか?
ピップエレキバンは医療機器で、法律上の制約があるので、相乗効果がどう生まれるかということに明確にお答えすることは難しいです。
ただ、医療機器として「血行改善」の効果は認められていて、一時的ではなく持続的にじわじわと血行を改善していきます。一方サウナについて考えてみると、持続的というよりは一時的に大きく血行をよくしてくれますよね。
そういう特性を考えると、肩こりケアとしてサウナと併用するのはあっても良いことなのではないかと思います。
–– そもそも論になってしまうのですが、ピップエレキバンはどういう作用で血行が改善されるんですか?
作用としては、製品から発される磁気が血管の内側にある細胞に働きかけて、血管拡張物質の合成を促進すると考えています。その物質のはたらきによって、血管が広がって血行が良くなるというわけです。
また、製品自体はずっと磁気を発し続けているものなので、一時的ではなく持続的な効果として血行改善が促されます。
そんなわけで、親和性の高さからサウナ界隈でもピップエレキバンが認知されていったらお互いに良好な関係が築けそうなんですが、難しいところとしては、「医療機器」を店頭で販売するには申請が必要になるのがハードルとしてあったりします。
なのでまずは、温浴施設にピップエレキバンのポスターが貼ってあるみたいなところからはじめて、徐々に取り組めることが広がっていったら良いなと思います。いずれどこかの温浴施設で、サウナ後に製品を利用してもらって効果の程を検証してもらうっていう実験イベントみたいなものをやるのも面白いかなぁと思いますね。
《終》
おわりに
インタビューはイベント前日に行いましたが、「よかったらイベント当日も見学を」とお誘い頂きありがたく甘えさせてもらうことに。オンライン生配信は初めての試みとのことで機材も全部自前でご用意されており、手作り感があふれる現場で雰囲気もとてもアットホームな感じでした。
とはいえ現場で動く方々はギリギリまで準備に忙しく動かれていましたし、本番直前に機材トラブルでオンタイムで開始できないというアクシデントがありましたが、何とか復旧してスタート。ちなみにトラブル待機中、ととのえ親方はくつろぎながら歯間ブラシでデンタルケアをしていてさすがだなと思いました(笑)
イベントが始まってしまえば、トークの上手なお二人の軽妙な掛け合いであっという間に一時間が経過して盛況のうちにイベント終了と相成りました。
▼イベント公式レポート記事
elekiban.pipjapan.co.jp
イベント後に少しお二人にお話を伺ったのでそれについてご紹介を。
トーク中にお二人は「今では歯を磨くことと同じ感覚でサウナに通っている」と仰っていたので、「いつからその境地に到達したのですか?」とお伺いしたところ、万平さんいわく「サウナ巡りに夢中になっているうちに気付いたらそうなっていた」とのことで、親方は「三日連続でサウナに行きだしたらもうその世界に足を踏み入れていると思う」とのことでした。
また、肩こりについてはお二人とも「肩こりとは無縁」と仰っており、「それ以外に健康に気を遣っていることはありますか?」とお尋ねしたら、まさかの二人そろっての「何もしていない」というご回答。掘り下げて伺ってみると「そもそもストレスが溜まらない生活をしている」ということだったので、それプラスのサウナ習慣で健康が保たれているのだなと思いました。
※ ※ ※
今後もピップさんにはサウナと連動した取り組みをぜひ行ってもらいたいですし、他の会社さんもサウナとコラボして下さるとサウナ界隈が立体的な広がりをみせると思うので、期待したいなと思います。
余談
大変ありがたいことに今回の取材の御礼としてピップエレキバンを頂いてしまったので、首も肩もガチガチのガチでこりがひどい僕は試しに使ってみることにしました。磁力の強さが80・130・200と3つの段階があり、とりあえず初体験の僕は80を利用して一週間ほど過ごしてみました。
結果、明らかな改善を感じました。肩を押した時のガチガチ感が緩和されましたし、特にサウナ直後の血流が良い時などはいつになくプニプニですごく驚きました。ただ、僕の肩こりはかなり頑固らしく、完全に解消されるまでは至らなかったので次に130を貼ったところ数日で更なる効果を感じられました。現在は200の強さのネックレスタイプのものを購入し、貼るタイプとどう違いがあるかを検証中です。
一番安い商品だと400円前後で買えるもので仮に合わなくて効果を感じられなくてもお財布へのダメージは軽いので、肩こりでお悩みの方は一度試してみるのもアリかもしれません。
(インタビュー・文/やのしん)