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【麻美ゆまさん】サウナ好き有名人ロングインタビュー vol.1

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はじめに

今回とても久しぶりにサウナ好きの有名人の方にインタビューを行いました。「サウナ好きだけどSNSやメディアであまり発信していない人」という条件で考えたときに、最初に思い浮かんだのが麻美さんだったというのがオファーの経緯です。

ただ、実際にインタビューして感じたのは「なんて考え方の素敵な方なんだ」と。サウナ活動家と名乗っている自分が今後どう動いていくべきなのか、改めて考えさせられる機会になりました。

そういう意味でも僕にとってリスタートとなった今回の記事。麻美さんの魅力を出来るだけ引き出したいと思い、従来の「サウナーインタビュー」とは形式を変えてナンバリングもリセットして、結構なボリュームにもなりました。

決してただ長いだけじゃないという自負はありますので、ぜひお楽しみ頂けたらと思います。

麻美ゆまさんプロフィール

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麻美ゆま(あさみ ゆま)

2005年にセクシー女優デビュー。
ドラマ・映画・グラビアなどで活躍しながら、
アイドルグループ「恵比寿マスカッツ」の初代メンバーとして活動。

2013年、卵巣境界悪性腫瘍がみつかり、子宮と卵巣を全摘出。
一年間の闘病生活を経て活動再開。2015年にソロでの音楽活動を開始。
台湾ライブにも出演し海外進出も果たす。

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インタビュー

その時の体調とモチベーションを大切にするようにしている


-- 麻美さんがサウナにハマったきっかけを教えて頂けますか?


サウナを好きになるきっかけとして、まず銭湯での交互浴にハマった経緯があるんです。3年前くらいに、私が”銭湯先輩”と呼んでいる人に誘われて町の銭湯を巡るようになったんですね。

その先輩に交互浴を勧められたんですけど、最初は水風呂に入るのが怖くて腰までしか浸かれなかったんです。でも、それだけでもすごく気持ちよくてお湯だけでは味わえない爽快感が得られたんです。

そうして何度か通ううちに自然と「肩まで浸かってみようかな」という気持ちが湧いてきて、意を決してチャレンジしてみたらすごく気持ち良くて世界がパッと開けたんです。それで交互浴がさらにはかどるようになりました。

その後、一緒に銭湯へ行く友だちでサウナに入る子がいたので動きを真似てみたらすごい解放感が得られることを知ってしまって、それでハマっていきました。


-- サウナにハマる前に交互浴を経ているのが印象的ですね。今でも交互浴されることはあるのですか?


そうですね、サウナを知ってからは交互浴よりもサウナがメインになっていきましたけど、湯船が大好きなのでサウナが目的のときでもお湯に浸かることは欠かさないですし、一緒に行く子がサウナが苦手だったりしたらひたすら交互浴ですね。

あと、交互浴を知ってから自宅での入浴の仕方についても変わりました。それまではだいたいシャワーを浴びるだけだったのが、なるべく湯船を張るようになりましたし、間に水シャワーを挟んだりするようにもなってお風呂の時間が長くなりましたね。

湯船・水風呂・サウナのそれぞれの魅力を知ったことで、入浴の幅がグッと広がりました。


-- ちなみに、サウナにハマってからは友だちに布教活動されたりしていますか?


友だちに「今度いこうよー」と声をかけることはあるんですけど、やっぱり裸を見せあうっていうことへの抵抗感からか、実現する機会はそんなに多くないですね。

その中でも、ロウリュサービスで得られる一体感の話とかは引きがあって、サウナそのものというよりは施設の設備やサービスの魅力を伝えるようにすると実際に行くまでつながっていきやすいかなと思います。


-- 参考になります。ところで施設で入浴をする際はどのような流れで入りますか?


私は自分のその時の体調とモチベーションを大切にするようにしていて、それに合わせて入浴の流れを決めていきます。

固定のスタイルありきだと入浴することで余計に疲れてしまうこともあって、それはもったいないと感じてしまうので。

また、私は「サウナは熱いのがいい」とか「水風呂は冷たくなきゃだめ」みたいなこだわりがなくて、それぞれの施設のコンディションを楽しむタイプなんです。

「施設に自分を合わせていく」というイメージですね。


-- では仮に、コンディションがベストな状態だったらどんな入り方をしますか?


まずサウナに入る前に湯船に浸かりますね。そこからサウナ→水風呂→休憩としたあとで、また湯船に浸かります。それを1セットとして、3セット行う感じです。

時間的には1時間半から2時間くらいですね。


-- サウナ前に湯船に浸かる人は割といますが、休憩後に湯船に浸かるというのは珍しいですね。


私は本当に湯船が大好きなので「施設に行ってお風呂に入らないなんてもったいない!」って思っちゃいますね。とはいえ休憩後の場合は体の冷え具合とかもあるので、短ければ1分くらいのときもありますけど。

炭酸泉とかぬるめのお湯があるとすごくちょうど良くて、次にサウナに入る前に体を一旦フラットな状態に戻すことができるんです。

サウナに通うことで人にやさしく出来るようになれた


-- サウナに通うことでどんな変化がありましたか?


沢山いいことがありましたよ。リラックス効果や頭のスッキリ感が得られるので、睡眠の質がすごく良くなりました。寝つきが良くなって、ぐっすりと眠れるようになりました。

他にも、休憩中は脳がとろける感じになるので自分が一旦リセットされたような感覚になって、ストレス解消出来るようになりました

あとこれは女性に伝えたいんですけど、肌の質感が変わって化粧乗りがすごく良くなったりくすみが取れたりするんですよ。エステや化粧品とかはこだわりだしたら出費がすごくなっちゃいますけど温浴施設は1000円程度ですから、美意識が特別高いわけじゃない女性にもサプリ感覚でサウナを利用してみてもらいたいと思います。

男性だと仕事終わりでサウナに行くっていうことも多いと思いますけど、女性は「今日はサウナの日」みたいに決めちゃって、入浴の前後でお化粧もせずに過ごして肌をいたわってあげるように過ごすと美容的にはより良いかなと思います。


-- サウナブームとは言えども、まだまだ女性にはいまいち届いていないですよね。


そうですね、男性と比べてサウナのある施設が少なかったり、そもそも人前で裸になることに抵抗感のある方がいたりするなどの課題はありますが、もっと女性にも届くと良いなぁと思います。

あ、あとサウナ通いで得られた変化として、人にやさしくできるようになりました。私なりの考え方ですけど、交互浴やサウナって「自分で自分をいたわってあげる行為」なんですよ。

それによって心に余裕が生まれていきますし、そうやって自分にやさしくすることが習慣になっていくと、たぶん自然と「やさしくするっていうことがどういうことなのか」が身についていくと思うんです。

その結果として人にやさしくできるようにもなったのかなと思います。


-- すごく素敵な変化ですね。


はい、だからこそ多くの人にサウナの魅力が届けばいいなと思います。

その一方でちょっと気をつけていることがあって、「サウナは良い」というのをあまり圧をかけずに伝えていきたいなと心掛けているんです。

自分自身が自然な流れでサウナに馴染んでいったことも関係しているんですけど、結局サウナは自分をいたわるための手段であって目的ではないと思うんです。

これまでも「サウナ好き!」「サウナ良い!」とメディアやSNSで発言しようと思えばできましたけど、それは自分にとっても受け取る相手にとっても圧になってしまうかもしれないなぁと思ってちょっと控えめにしていたんです。


-- 本当に好きなものだからこそ、伝え方にも麻美さんなりの配慮があるのですね。


圧に関しては水風呂についても同じことが言えて、私は一緒に銭湯に行って水風呂デビューする友だちに「我慢すれば気持ちいいから!一気に!」みたいな風には言わないようにしているんですね。

慣れている人にとっては水風呂は気持ちいいものですけど、やっぱり未経験の人からすると未知数で怖いじゃないですか。その気持ちに寄り添ってあげたいなと思っていて。

そういう時は「いかに”長い”とか”我慢”などのワードを使わずに、自然な流れでお湯やサウナに長く居させるか」という秘密ミッションを自分に課していて、コロナ前だったら「ここのお風呂はお肌つるつるになるらしいよー」とか「汗でてきたねー」とか色々と会話が弾むようにして、気付いたら体がホクホクになっているという状況を作るんです。

そうしたら自然と体をクールダウンしたくなって、水風呂との距離が縮まるんですよね。

サウナ全体の魅力についても、そのような感じでふんわり伝えていけたらなぁと思います。

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自分にとってのサウナはととのうことより「いたわること」の方が大事


-- 麻美さんにとって「ととのう」とはどういう感覚ですか?


私がサウナに入り始めた最初のころは、あまり意識的に休憩を取らなかったのでそんなに特別な感覚は得られなかったんですけど、あるとき「ととのう」っていう言葉を知って「何それ気になる!」と思って意識的に休憩を取ってみたんです。体と会話するイメージで休んだらばっちりととのいました

具体的には、脳がとろけていってワープしちゃうというか、無になって何も考えられなくなるんです。自分が体の細胞のひとつになった感じで、体中の細胞が「ありがとうございます!イエーイ!」って答えているのが聞こえるような、そんな感覚です(笑)

大げさに言うならば「生まれ変わり」ですね。


-- 良い感じにととのうために何か工夫されていることってありますか?


「無理をしないこと」というのはすごく意識しています。

体調とモチベーションを踏まえた上で「今日はこのくらいにしよう」とあらかじめ決めておくようにしているんです。例えば疲れ気味のときなら「今日は80%にセーブしておこう」と決めて、そのときの自分にちょうどいい充実感が得られるように心掛けています。

あとは、ポジティブな気持ちで施設での時間を過ごすようにすることも意識しています。

「どうしたら120%の充実度が得られるだろうか?」というのを考えて「楽しんでやるぞ!」という気持ちでいると、プラセボ効果なのかもしれないですけど気持ち良く過ごせますね(笑)


-- 前準備を大切にされているのですね。では次に、初心者の方に向けてサウナや水風呂に慣れるためのアドバイスをいただけたらと思うんですが、何かありますか?


私自身がそうでしたけど、まずは水風呂の苦手意識を克服することが大事だと思うんです。けれども、だからといって「早く克服しなくちゃと焦らなくても良いんだよ」ということを一番伝えたいですね。

いきなり最初から肩まで浸からなくても、膝までとか腰までとか「気持ちいい」と思える範囲からスタートしていけば十分だと思います。部分的に水風呂に浸かるだけでも、その後の休憩がいつもより気持ちよく感じられますから。

そうやって気持ちいいと感じる経験を重ねていけば、いつか自然と水風呂は克服できるはずです。

また、水風呂への慣れ方として、サウナから水風呂ではなく長めにお湯に浸かってからの水風呂という選択肢もありますよね。

サウナに長く入るよりお湯に長く浸かる方が抵抗がないという人も多いと思うんですよ。そういう方はそっちからチャレンジした方が意外とスッと水風呂に入れるかもしれません。


-- やさしさに溢れていて素敵です。さてそろそろ終盤の質問になりますが、麻美さんのオススメのサウナ施設を教えていただけますか?


まずは恵比寿の改良湯です。ここは私が交互浴を知ってサウナに目覚めた産湯みたいなところなんです。

当時はまだ改装前でしたけど、「なにこれ!」って逆に笑っちゃうくらい水が冷たかったのが印象的でした。改装後もすごいオシャレになって、素敵だなぁと思います。

他には鶯谷にある萩の湯も印象的でした。「ここにあってほしいなぁ」という所にイスが設置してあったり、欲しいところに欲しいものがあるっていうのが要所要所に見受けられて、そのやさしさにすごく感動しました。利用者目線に立った細やかな空間デザインがなされていると思います。

あと最後に、私の地元である群馬の施設で湯都里というスーパー銭湯があるんですけど、そこも大好きなんです。天然温泉で施設も広々としていて漫画も沢山あって一日楽しめるんですが、それでいてすごく安いんです。好きすぎて会員カードを持っているくらいです。


-- では最後に、サウナ以外でなにかオススメのものを教えていただけますか?


これは難しい質問ですね…。

事前に質問項目を頂いていたので考えてはいたのですが、全然思いつかなかったんですよね(笑)


-- そうなんですね(笑)何でもいいですよ、最近ハマっているものとか昔から好きなものとか、あるいはご自身の歌手活動やYouTubeチャンネルのことでも良いですし。


いや、私の活動についてはこれを読んで下さるであろうファンの方々からしたらもう知っていることなので、あえてここで伝えなくても良いかなぁと思っていて。

かわうそが大好きで寝る前によく動画を観るんですけど、それもファンの方々には周知のことなので…。

あー、私最近、家で料理することにハマっていて、特にオートミールを使った料理をするんですよ。あと冷凍ってすごいなーということにも気づいて何でも冷凍しちゃってるんですけど…ってこれ話広がらないからダメですね、どうしよう(笑)


-- いえ十分ですよ!オートミールでどんな料理を作るのかとかでも良いですし。


いや、何か他にあるはずなのでちょっと待ってくださいね。

うーん…。

……。

あ、ありました!

私はクレープが大好きで、自分でも家で作ったりするんですけど、最近は寝るときにYouTubeでクレープの動画を流しています。全国の色んなクレープの動画が上がっているので、それを観て「明日も美味しいものいっぱい食べるぞー!」にって思いながら眠るんです(笑)


-- 具体的にオススメのお店はありますか?


ジェラートピケっていうルームウェアのブランドがあるんですけど、そこが運営するカフェのクレープは絶品です。

生地がパリっとしていてこだわりのバターを使っていて味も本格的で、大人のクレープって感じです。食べたらクレープの概念が変わると思いますよ


-- 大人クレープ、素敵ですね。僕も今度食べてみようと思います。では以上でインタビュー終了となります、ありがとうございました!


いやー私のオススメ、こんな感じで良かったですかね?…もし後でもっと良いものが浮かんだら連絡しますので!


-- いえ、大丈夫ですよ!取れ高バッチリですから!(笑)


(インタビュー・文:やのしん)

おわりに

結構長い文章になってしまいましたが、最後までお読みくださりどうもありがとうございました。

これを通じて少しでも麻美さんの魅力が伝われば幸いです。ファンの方からすればそれは周知の事実なんでしょうが、ファンの方が読んでも「まぁそれなりに魅力は伝わっているかな」と僕が書いた文章に及第点を頂けていたらいいなと思います。

そう、ぶっちゃけ今回は「いかにサウナの魅力を伝えるか」ということは大して考えずに、「どうしたら麻美さんの魅力が伝わるか」を重視して自分なりに工夫して記事を書きました。

それくらいお人柄が本当に素敵でしたし、こういう人にこそ光が当たるような社会になって欲しいと僕は強く思いました。

サウナ界隈についていえば、サウナ歴が長い人やこだわりを主張する人、通う頻度が高い人やグッズをたくさん持っている人だけがサウナ好きとして秀でているわけじゃないんです。もちろん彼らは彼らで尊重されるべき人たちですが、麻美さんのような静かにやさしくサウナと向き合っている人も確かに一定数存在していて、そこにプロいプロくないの差やすごいすごくないの差などないと僕は思っています。

社会もいま、自分の正義を振りかざした殴り合いの傾向にあると僕は感じています。二項対立のうち「お前はどっちなんだ?」と迫られているような。そんな社会だからこそ余計に、麻美さんのような「自分の理念はあるけど押し付けない人」「相手の気持ちも尊重できる人」の存在が救いとして求められているように思います。

とか、なんか書いているうちに規模感が大きくなってきもい感じになってしまったのでもう自重しておきますが、とにかく今回麻美さんにインタビュー出来たことは僕の大きな財産になって、それを少しでも他の方におすそ分けしたいという気持ちで文章を書きました。

「自分がどういう世界を作っていきたいか」という根っこの部分を忘れずに今後も色んな記事を書いていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

最後に、インタビューを引き受けてくださった麻美ゆまさん、オファーの際にサポートしてくださった松野井雅さん、本当にどうもありがとうございました!


(おわり)