レポート
春は曙。
春眠暁を覚えず、という素敵な言葉があるが、わたし永瀬花帆はめちゃくちゃ体内時計が正確なため、前日友人と散々飲み歩き可惜夜(注 あらたよ:明けてしまうのが惜しいほど素敵な夜のことだヨ)を過ごしたというのに、眩しい日光でいつも通りの時間に目を覚ました。暁覚えまくっている。
今日は一つのミッションがあるのだ。
数ヶ月前に記事を書かせていただいた「ザっくりととのうサウナ入門」さんから、なんと記事の執筆のアンコールをいただいたのだ!!!
くう…(喜びを噛み締めている)。物書きとして、おかわりがもらえることほど嬉しいことはない。この時初めて自分が書いた文章を認められた気持ちになるのだ。
というわけで、今日はまだ見ぬサウナに足を運び、物想いにふけるというのが私の仕事なのである。
色々とあり、まだどこのサウナに行くかは決まっていない。
私は寝ぼけ眼というよりは、楽しみすぎてバキバキに覚めた瞳でスマホをいじり、サウナの候補をリストアップし、ある人に電話をかけた。
「もしもし?今日○○の湯にしない?」
「オーケー、14時なあ」
2つ返事がきたのは私にサウナを教えてくれた人生の師、月城まゆちゃんである。
まゆちゃんとは家が徒歩圏内で、3年前に一人暮らしを始めたばかりの私を寂しさから救ってくれた救世主でもある。
初めはサウナにさして興味がなかった私だが、まゆちゃんに誘われて何回もサウナを訪れているうちに、サウナー 〜ビギナーズ編〜 への門を叩くこととなったのだ。
それからまゆちゃんから「サウナ行かへん?」というココロオドル連絡が来ないか、携帯を握りしめて待つ日々が始まったのである…(一人で行けば?)気持ちは恋する思春期の少年…。
実家のある八王子駅から中央線に乗り、メトロに乗り換えて南阿佐ヶ谷駅で下車した。
ここから徒歩約20分、今日は「ゆ家 和ごころ 吉の湯」さんに足を運ぶこととなった。
まゆちゃんとは現地集合ということで、一人で20分のお散歩だ。前日ひどい雨だったこともあり、桜は全て散ってしまっているかな〜なんて思いながら歩いていたが、桜はもちろん春の草花があちこちから挨拶してくれた。
そしてこれでもかというほどのポカポカ陽気。思わすスキップ・ホップステップジャンプ・グーリーコー!してしまいたくなるような気候である。
その時の永瀬の声明はこれであった。
春の20分の散歩を長いと思うか短いと思うかはあなた次第であるが、春の匂いを吸い込みながらあっという間に吉の湯さんに到着。
大きい外観にテンションが上がる。旅館のようだ。Like a 旅館。
パシャパシャと写真を撮っていると、入り口からひょこっとまゆちゃんが顔を覗かせた。今日も可愛い!大好きだよ!(最後に書くやつだよ)
受付を済ませて、元気の良い番台さんにフェイスタオルとサウナ用のタオルを貸してもらった。
はやる気持ちを抑えて滑り込むように浴室に入る。露天スペースからの自然光がさしていてとても暖かな空間!
内風呂に軽く入り露天スペースへ。広い!!銭湯とは思えぬ広さにココロオドル!
まずはじゃぼんと壺風呂へ。狭い壺に入りたくなってしまうのは人間のサガなのだろうか。ドバドバと水が溢れてちょっと恥ずかしい。
この日の壺風呂は「じっこう湯」とのこと。なんでも生薬成分が含まれていて、温浴効果がよりより高まる漢方薬湯とのこと。どおりでいい香りがする。
そしてその隣に見えますのは炭酸泉である。炭酸泉がある銭湯は無条件に好きになってしまう。温&温のコンボが、これでもかというほどに身体を温めてくれた。
もうこの時点ですでに私の中の最高メーターがメーターを振り切ろうとしていた。温まった下半身とぬるい風が撫でてくれる上半身…サウナに入ったら私、どうなっちゃうの…///
そして私たちは「さて行きますか」と目配せをしてサウナへと向かった。
サウナは3段作りのコンフォートサウナ(テレビ付き)。こちらも向かい側の大きな窓からお日様の光がさして、なんだかわからないけど心まで元気になってる感じがした。最高だ、最高すぎる。朝日と日光を浴びることは、私の健康において欠かせない重要ポイントなのだ。
そしてまゆちゃんが隣にいることが、何より究極健康体グレートかほたんへ近づく要因の一つだと、私の中のインセクター羽蛾がブンブンわめいている。
温度計は約90度をさしている。
その室内はと言いますと、カラっとしているけど肌に刺さる痛い感じはしない、まさに「ちょうど良すぎる」サウナであった。
我々は2段目に座って、限界を迎えるその時まで耐え忍んだ。
周りに座っているマダムたちは仲良しのようで、井戸端会議に花を咲かせていた。春だしね。
様々なサウナに行ってきたが、やはりマダムたちの民度で行く回数が増えたり減ったりもするのが現実だ。
その場にいないサウナ仲間の悪口を言っている軍団もあれば、「日本酒風呂に入ると肌に良いけどめちゃくちゃ蚊に刺される」という「ほんまかいな」話で盛り上がっているマダムたちもいて興味深い。思わず聞いていて笑ってしまいそうになる。
ラジオ代わりにマダムたちのお話を聞いているうちに限界が来て、ターン終了。サウナ室の扉を開けたら、そこは天国だった。
まさに天国。Like a 天国。春の風の包容力がすごすぎた。サウナの向かい側にある水風呂で掛け湯をしてドボン。
いんや、お宅さん結構気合い入れて冷えてますねえ!と水風呂に話しかけた。確か温度は18度くらい。
体をサッと拭くと目の前にはインフィニティチェア…この待遇、噂通りの神導線…シルクロード…?まるで貴族にでもなった気持ちである…Like a 貴族……あんま擦りすぎるとウケなくなるよ…>私
と自分に突っ込みつつインフィニティチェアをほぼ平行にして寝転んだ。
人生最高の外気浴だった。ああ、なんて素敵な日だ。永遠に頭の中でミセスグリーンアップルが歌っている。目を薄っすらと開けると、そこには雲一つない青空が広がっていた。マニラの王様がでっかい椅子に座ってでっかい葉っぱで仰がれているような贅沢な気分だ。(あのでかい葉っぱはウチワヤシというらしい)
最高のととのいを手にいれ、もう一度まゆちゃんと炭酸泉へ。
そこで最近の人生の話や、これからの仕事のことを話し合ったり、最近まゆちゃんが食べて美味しかったタイ料理の話などを聞いた。
まゆちゃんは最近柔らかいカニが丸ごと乗ったカレーに感銘を受けて、タイ料理を作りたくなったらしい。
「タイ料理作ってみたいなあ」
「え、柔らかいカニのカレー作るのむずくない?」
「そりゃむずいよ脱皮直後の柔らかいカニなんてどこにおんねん」
そう言ってケラケラ笑ったまゆちゃんは、午後の西日に照らされて神々しかった。女神なのか?どうでも良すぎる会話と、まゆちゃんの笑顔と、シュワシュワと沸き立つ炭酸泉にひどく癒された。
その後何セットもサウナに入ったが、毎回安定のととのいをくれるのがここのサウナの特徴だと睨んだ。長時間入って苦しくなることもなければ、ぬるすぎることもない。最高のセッティングである。
ここの施設は2時間制のため、あっという間に時間が経った。我々は、春の外気浴=天国 という危ないトラップカードを知ってしまったのだった…!
次回予告!やめて!春の外気浴の気持ち良さを知ってしまったらもう元には戻れない!お願い!行かないで、春!次回、「夏は夏で夜の外気浴最高とか言ってんだろ」サウナスタンバイ☆
そんなあっという間の2時間を過ごし、我々は失った塩分を求め、ラーメンを食べに行くことにした。最高の一日である(n回目)。
少しシブい感じのラーメン屋さん、生まれ変わった細胞にラーメンをかちこみたかったが、私は翌週撮影を控えていたため、餃子とビールで優勝させていただくことにした。ラーメンも気になったけど、こういうセーブは芸能人ぽくて嫌いではない。そしてビールはええんかいな?
そしてそのまま大宮八幡宮にも足を伸ばし、神様にご挨拶。心身ともにパワーチャージをさせていただいた。
陽が長くなってきたとはいえ、神社を出る頃にはもう夕暮れ時。夜になると少し肌寒かった。冬からバトンを渡されたばかりの春は、まだまだスタートダッシュを切ったばかりなのだ。
今日という日をきっとおばあちゃんになっても「あの日は良い日じゃった!なんだったかのう?」と、末裔まで語り継ぐだろう。
そしてまゆちゃんへ。まゆちゃんと一緒ならそこらへんの側溝に、脱皮したばかりの柔らかいカニを探しに行ってもいいよ。あ、まゆちゃんが喜んでくれるなら私一人でタイまで探しに行ってくるんでもいいよ!
(おしまい)
ライタープロフィール
▼永瀬花帆
1992年東京都八王子市生まれ
趣味は映画鑑賞、ミニシアター巡り、自分で作った料理でお酒を飲む
2014年に芸能活動を始める。
その傍ら自身の赤裸々な生活をnoteにつづる。
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