はじめに
僕の日課に「サウナ好きのタレント探し」というものがある。サウナ関連の発信をするタレントさんを探して、その人を素性調査する作業。
ある時、グラドルの仕事をしつつnoteで書き物もされている方を見つけ、試しに読んでみたら普通に奇才だった。
どの記事も一定のクオリティに仕上げる、いわばメジャーリーガーの吉田正尚みたいなアベレージ型中距離ヒッター。それこそが今回のライターである永瀬花帆さんだ。
「いつかオファーできたらなぁ」と思いつつ過ごしていたら、年始に更新されたnoteでフリーで活動する旨が書いてあり「あれ、チャンスじゃね?」と勢いでコンタクトを取った。
そしたらとんとん拍子に話が進んでこうやって記事化が実現したのだ。
この才能を誰かに知らせたい。気づいてほしい。そしてうちよりちゃんとしたメディアで正当に評価されてほしい。育成選手からメジャーリーガーにまで成り上がった千賀滉大のように。
届け!然るべきところに!
(やのしん)
レポート
私の名前は永瀬花帆。好きなものは映画とお酒と料理とサウナとイケメンの31歳!
去年4年間所属していた芸能事務所を退所し、現在野良芸能人としてサバイバル生活を送っています!
そんなある日、自分のnoteに、にわかには信じられないような嬉しいコメントをいただいた。
私は昨年末詐欺の被害に遭ってしまったのだが、そのことを面白おかしくnoteにしたためていたのだった。まさかあの記事がお仕事に繋がるなんて。詐欺よありがとう。
「お仕事の依頼はDMまで(キリッ)」などというカッコつけたことをプロフィールに書いているが、本当に依頼をいただくとホッピングで跳ねたくなるくらい嬉しいものである。そして詐欺じゃないというのもありがたい。
(↓詐欺を面白おかしくしたためたnote)
note.com
サウナの記事。
サウナといえば、都内で一人暮らしを始めてからすっかり好きになってしまった私の趣味の一つだ。チラホラっとSNSに、サウナきもちえ〜。。という文言を残したことはあるが、ちゃんとした記事として書いたことはなかったので、まだ書くことが決まったわけでもないのに私はプレッシャーで茹でたほうれん草くらい縮み上がった。縮み上がるのが早い。ノミの心臓である。
お話をいただいた次の日には運営のやのしんさんとお会いして、あれよあれよとお話が進み、我がホームの「竜泉寺の湯 八王子みなみ野店」の記事を書くこととなった。
竜泉寺の湯八王子みなみ野店といえば、年末にリニューアルオープンし、ますますサウナに特化した施設に進化しているとの情報を入手している。
しかし、ただでさえ人気な施設(男湯ではロウリュウタイムの前は行列ができているとか)だ。リニューアルオープン日は朝の6時から入場待ちがあったという噂も聞いていた。そのため、「多分今は芋の煮っ転がしだ〜もうちょっと空いてから行こ〜」と思い1ヶ月以上の時が経っていた。
確か最後に足を運んだのは去年の11月。大好きな竜泉寺との再会に、私の胸は躍った。しかし「しっかり面白い記事書かなきゃ」と思うとノミの心臓縮み上がりタイムにもたまに突入した。
まだ雪の名残があるリニューアルされた竜泉寺の湯に足を踏み入れると、全てのお会計は靴箱のIC機能付きのキーで済ませるタイプに変わっていた。入浴料は少し値上げされていたが、今までが安すぎたのだ。素晴らしいものにはたくさん課金をしたいというのがオタク脳であるのでなんの問題もない。
サクッと着替えていざ浴場へ。
「おお…」と、思わず感嘆の声が漏れる。中央に設置されている、大きな炭酸泉を取り囲むように、いくつかの変化ポイントがあった。
まず、一番の変化といえば、前までは荷物置き場だった場所に「超冷水風呂」ことシングル水風呂(10℃未満の水風呂のこと)が設置されていた。小さいながらも青いライトで妖しく照らされていて、独特の存在感を放っている。
そしてその前には、電気風呂だった場所の一部が「あつ湯」になっている。ふーん…おもしれぇスーパー銭湯じゃん…と、私のなかの越前リョーマもはやる気持ちを抑えきれない様子である。
ハハーン、この事実に気づいているのは私だけだとは思うが、これは完全にサウナ客に全振りしているリニューアルがされているな…。
まずは身を清めて、竜泉寺の湯自慢の炭酸泉に浸かる。真ん中に大きくドドンと鎮座している炭酸泉は、「どや、すごいやろ弊社の炭酸泉」という竜泉寺の自信を感じてとても好きなのだ。
炭酸泉は、いろいろな施設でお見かけするが、私は竜泉寺の炭酸泉が一番体が温まる。夏なんかは帰路でも汗が止まらないなんてことがよくある。
ぬるめのお湯で段々と体が火照っていく。身体が軽く火を通した豚バラの色になった頃が私の食べ頃である。体をよく拭いて、いざ決戦の地、バズーカロウリュウサウナへと向かった。
二重になったドアを開けると、5段のドライサウナが待ち受けている。私にはこの段差がSASUKEのアスレチックに見える。これは挑戦なのだ。
通常、サウナは熱い上の段が人気なことが多いが、ここでは1〜2段目が人気のスポット。私は雛壇でいったら五人囃子あたりのところに腰をかける。つまり上から3段目くらいの真ん中あたりのポジだ。
それと同時に全毛穴から汗が吹き出る。汗だくの五人囃子のメンバー、永瀬花帆(31)。盛らずに5秒で汗だくになる。
都内でサウナにハマり、ホームタウンの八王子に戻ってきて、久しぶりに竜泉寺を訪れた時には驚いた。
都内とか言っちゃっているが八王子も充分都内なのだが、「一番身近なサウナがこんなに最高だったなんて、、!」と、「いつも身近にいた幼馴染ってこんなにかっこよかったっけ、、!?」というような(どのような)感動を覚えた。
都内のサウナで散々修行を積んできたつもりだったが、灯台下暗しとはこのことで、この施設のいくらなんでも熱すぎるサウナに腰を抜かした。
そして名物の「バズーカロウリュウ」でますます腰を抜かした。まずはオートロウリュウが始まり、その後サウナ上部に設置されている、スピーカーのような送風機から熱波のバズーカ爆風が来るのだ。これが私の初めてのロウリュウ&熱波体験だった。
初体験にして最上級クラスの熱波を味わってしまったものだから、割とどこのサウナに行っても「いや竜泉寺に比べたらw」と、竜泉寺マウントをとってしまうイヤミなやつになってしまった(もちろんどこの施設にも違った良さがありけりですよ)。
1セット目はノーロウリュウだけれども充分熱い。この時サウナ室には私含めて5名ほどのチャレンジャーがいた。ちなみにお雛様ポジションにも座っている人がいて、「いつか私もそこに行くっす!」と心の中で宣誓した。
6分ほどで逃げるように退出しようと立ち上がる。いや乳首燃える!!!!
半ば小走りでどうにか現世に戻ってきて、シャワーを浴び…ン!?清めの滝!?先ほど偵察した時には気づかなかったが、「清めの滝」というサウナ後専用シャワーができている。通常のシャワーよりも1mほど高い位置から冷水を浴びることができる、まさに滝。すごい、すごすぎる。
滝行で清まりまくったあと、水風呂に飛び込む。1セット目からシングルに突撃する勇気はなかったので通常水風呂に久しぶりにご挨拶をした。言っておくが通常水風呂もぼちぼち冷たい15℃である。
水風呂から這い出て、外気浴への旅に出る。
おぼろげな視界の中、いつものリクライニングチェアに登…ン!?登れない!?チェアが低くなってる!?(私が利用したところが低くなっていたのかも?)
以前は、ととのいが深すぎてチェアに登って寝っ転がることもできずに半分身体が落ちてるままととのっていたのに(半分気絶)(お店の人呼ばれちゃう)、私に優しい高さになっているではないか!!!?今まではデッドスペースのようになっていた通路にも、椅子が所狭しと置いてある!!
と、頭の中では忙しくととのい椅子の感想を言いまくっていたけれど、身体は大気圏の中に放り出されていた。このまま風の中の藻屑になりたい…(風の中に藻はなくね?)はたまた椅子と溶けてしまいたい。それって人間椅子…江戸川乱歩ォ…
…
…
夜風がやさしく私の体を撫で、鳥のさえずり(館内BGM)がやさしく私を整いの世界から掬い上げてくれた。
目線を脚に落としてみると、先程まで軽く火を通した豚バラ肉みたいだった太ももが、霜降り和牛に生まれ変わっていた。
もはやこの1セットだけでも満足かもしれない。しかし、色々な刺激を試してしまいたくなるのが人間の性である。
・通常サウナ×通常水風呂
・通常サウナ×シングル水風呂
・バズーカロウリュウ×通常水風呂
・バズーカロウリュウ×シングル水風呂
うーむ、どのカプ(?)が私の好みなんだろう…あ、カプというのはカップリングのことで、同人創作活動などにおいてよく使われる言葉です(オタク特有の早口)。
というわけで、次はバズーカタイムにサウナに入ってみることにした。
ロウリュウちょうどくらいの時間に入室し、汗をダクダクかくが今からきたる熱波に冷汗三斗であった。いつもとは違う汗である。
ロウリュウが終わり、ゴウゴウと音を立てて熱波が我々を襲う。何回入ってもこのバズーカタイムを完走するのは難しいので、良きところで退室、無念。再び滝に打たれ、人生初のシングル水風呂へ、、!
少し高い位置に設置されているので、数段の階段を登って妖しく光る青い水へと飛び込む。
いやイッテェ!!!
冷たい///より先に、冷凍庫で冷やした釘に突き刺されたような感じがした。横の温度計を見ると約6℃。そりゃイテェわけだ。
肩まで3秒浸かって退散。外気〜;;外気〜;;と外気を求めてキョンシーのような動きで露天コーナーに飛び出した。
外まで向かうのにも、冷やされすぎた脚が歩く度にマキビシを踏んでるように電流が走った。
あれだけ熱くて冷たくて痛かったんだから最高の整いが待っているに違いない…とニンマリしたが、意外にも今回は風の藻屑も人間椅子もやってこなかった。
水風呂が短すぎたんか?暑すぎても冷たすぎてもダメなんや…加減を間違えると整えんのや…!あんな辛い思いしたのに…!と、悔しさのあまり歯を食いしばりすぎて全顎破折しそうになった。
その後何回か通常サウナ×通常水風呂のカプを楽しみ、わたしは浴場を後にした。
人を寄せ付けないシングル水風呂と目が合うと、「お主もまだまだやな」と言われているような気がした。くぅ。
サウナの後は自分の細胞が全て入れ替わっているような気がする。
そんな生まれ変わった綺麗な細胞にかちこみたくなるのがビールである。
というわけで、竜泉寺には「一休」という素晴らしいお食事処があるのだ。オレンジ色の暖かい外観が食欲をそそる。
話は逸れるが竜泉寺の好きなところ其の35くらいは、靴を脱いだ瞬間から館内全域床が暖かいところだ。先程まで裸足でマキビシを踏んでいた身としてはありがたすぎる話である。
そんな暖かな地面を踏み締めて、一休の座席へと着席した。なんとテーブルにはコンセントもついており、おつまみ&お酒のメニューも豊富すぎるほど豊富である。
サ飯メニューも色々気になるものはあったが、本日はお蕎麦の気分、山かけ月見蕎麦とビールいっちょで!!!!
…
くぅー!!!新品の細胞に注ぎ込まれるビールは沁みるなァ!ジョッキまでキンキンだぜ!いやしかしパジャマダッサ!!
パジャマはダサいけど、髪の毛だけはやけにツルツルだね?!
そう、リニューアル後、パウダールームの全てのドライヤーがリファに変わったのだ。これで気になる人と温泉デートをしても、「アレ?💦温泉入る前より可愛くない?(^^;;」と思わせてしまうことができたりできなかったりするのである。
お蕎麦もつるりと完食したところでご馳走様でした。サウナの後のご飯の美味しさは何にも変えられない。
友達と一緒に訪れていたらついつい長居してしまいそうなところだ。
まだサウナにハマっていない友達を、「良い飯屋知ってるヨ^^」という誘い文句で連れ込むにも良いだろう。
というわけで、竜泉寺の湯八王子みなみ野店、リニューアル後の1試合目は最高の日となった。次の試合では、シングル水風呂と対等に戦いたいものである。
4000文字を軽々と超えてしまった当記事だが、詐欺ではないことを願う(ギャラがちゃんと振り込まれますように)。
おしまい
ライタープロフィール
▼永瀬花帆
1992年東京都八王子市生まれ
趣味は映画鑑賞、ミニシアター巡り、自分で作った料理でお酒を飲む
2014年に芸能活動を始める。
その傍ら自身の赤裸々な生活をnoteにつづる。
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