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【イベントレポ】aufguss japan ~第一回アウフグース日本選手権~

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はじめに

Twitterのサウナ界隈をチェックしている方はご存知だと思いますが、近ごろは熱波師さんや熱量の高いサウナーさんがタオルを舞わせる"アウフグース"の動画の投稿が増えていますよね。震源は湯らっくすのアウフグースマイスター・福永さんだったでしょうか。

そんな最近のサウナ界のトレンドを素早くキャッチしたおふろの国支配人の林さんが企画した今回のアウフグースジャパン。

熱波ファンの僕としてはこれはどうしても見届けなければいけないイベントです。

この日をもって熱波師を引退する五塔熱子さんが有終の美を飾るのか、熱波の技術の礎を築いた渡辺さんが貫録を見せつけるのか、普段から華麗なタオルさばきを売りにするレジェンドゆうさんがかっさらうのか、はたまた他のダークホースが出現するのか。。そんなことを思いめぐらせつつ、イベントに参加してきました。

前座

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アウフグースジャパンの開始を前に、前座としてサウナ集会と熱ッスルマニアが行われました。

さらっと書いていますが、おふろの国を知らない人からしたらどっちも得体の知れない催しですよね。

簡単に説明すると、サウナ集会は浴室で、生演奏のドラムに合わせて"サウナそのもの"井上さんがマイクパフォーマンスを行ってガヤガヤ盛り上がるイベントです。そして、熱ッスルマニアはサウナ内で熱波師同士がまるでラップのフリースタイルバトルのように、言葉を投げかけあったりタオルで相手を扇いだりしながら魂をぶつけ合うバトルです。

なんか言葉で説明したことで余計理解しがたいものになってしまったような気がしますが、まぁそういうものなのです。それがフロクニカルチャーなのです。

熱波集会では井上さんとお客さんの怒号のようなコールアンドレスポンス、熱ッスルマニアでは井上さんとタックンジョーの700発の扇ぎ合い真っ向勝負をお客さんが手拍子とともにカウントすることで会場のボルテージはあっという間にアッツアツになります。

本編スタート

会場がホットになったところで、イベントが始まります。

出場者は五塔熱子さん、レジェンドゆうさん、ラーメン清水さん、なべさん、渡辺純一さん、加藤聡さんの6名。

審査員は、井上さん、サウキャンさん、モデルのMIKIさん、熱波師のKANAKOさん、そして審査委員長のサウナ王病欠の代打として急遽その場で指名されたニューウイング支配人の吉田さんの5名。

パフォーマンスは、浴室のオープンなスペースで3分間、サウナ室で3分間の2セット。フィギュアスケートのSPとフリーみたいなものですかね。サウナ室がSPでオープンスペースがフリー的な。

まずはオープンスペースでのプログラム。BGMはタックンジョーの生ドラム。

トップバッターの聡さんは力強さと勢いを武器にタオルを舞わせます。

二番目のなべさんは飄々と即興性の高い舞いを見せます。

三番目の清水さんは3分という時間を自分の体力がもつように計算して、バスタオルを広げてダイナミックに見せつつも安定感のある舞を披露。

四番目のレジェンドゆうさんはあえてタックンジョーのドラムは使わず、バスタオルを床に置いて途中で使い分けるなど独特の世界観を演出。

五番目の渡辺さんは、タオルの柔らかさとなめらかさ、そして構成力の高さで会場を魅了します。

ラストの熱子さんは、諸事情で遅刻しながらも、着の身着のままのスーツ姿で演舞を始め、非常にリズミカルで技のキレも良く楽しさを表に出しながら会場を巻き込んでいきました。

サウナ室でのプログラム

お次はサウナ室で。基本的な扇ぎのスタイルは先ほどの浴室で披露したものがベースになりますが、そこからどう変化させられるのか、空間にアジャストできるかが評価の分かれ目となります。

聡さんは芸人だけあって間の緩急が上手で、なべさんは相変わらず飄々とマイペースで、清水さんはシダさんが「これは勉強になる」とうなる扇ぎをして、ゆうさんは循環の卓越さを披露し、渡辺さんは3分間に日本のアウフグースの歴史を凝縮して、熱子さんは想いを言葉に託した、というような十人十色のパフォーマンスになりました。

結果発表

そして場所を食堂に移していよいよ結果発表!


6位、なべさん。

5位、聡さん。

4位、清水さん。


そして3位は……ゆうさん!


2位は……熱子さん!! 優勝は渡辺さん!!!!!


個人的な感想としては熱子さんと渡辺さんは凄かったです。審査員ではない僕の目から見てもこの2人のどちらかが優勝だろうと思いました。

熱子さんはひとつひとつの技の完成度が高度で、3分間もずっと動きっぱなしでも全く疲れを見せない体力が群を抜いていました。サウナ室のプログラムで、熱子さんは想いを伝えるためにあえて加点対象にならない言葉での発信に時間を割きましたが、演舞に徹していれば優勝していてもおかしくなかったです。ただ、「仰ぐだけがアウフグースじゃない」というメッセージは皆の心に刺さったはずです。

優勝した渡辺さんは誰よりも3分間の使い方を考えていました。基礎的な技術が優れていたのもあるのですが、やっぱり構成の差が大きかったです。また演舞の最後を、「これぞ日本のアウフグース」としてパネッパの掛け声に乗せてストロングスタイルの扇ぎでまとめたのも胸が熱くなりました。

とはいえ、他の方たちも凄かったです。各々が自分の長所を生かして3分を徹底して構成していたら誰が優勝か選べなかったかもしれません。

そのくらい皆さん熱波師の新時代を感じさせてくれました。

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終わりに

今回のイベント自体、「まずはやってみよう」という精神で手探りで始まった感があるものでしたが、今回やってみたことで多くのことが見えてきたと思います。

運営側、審査側、演者側、それぞれが学びを得たはずです。

だからこそ、楽しみなのはこれからです。

イベントが2回3回と開催されていくほどに、イベントは進化・深化してゆき、面白いものになっていくと思います。

個人的には浴室での演舞は個個人それぞれBGMを用意して、それに合わせて演舞したら面白いなーなんて思ったり。

また、今回はヤング熱波杯で圧倒的な存在感を示した九州勢が参加していません。また、最近は一般の方でもアウフグースの練習をされている方々も増えてきていて、彼らが参戦することになったらもっと活気づいていきます。

ぜひそうなってシーンを盛り上げてもらいたいものです。いや、きっとそうなっていくでしょう。

今後もアウフグースから目が離せません。