はじめに
サウナ用語には「ととのう」という重要なキーワードがあって、極端に言うと大概のサウナーはととのうためにサウナに通っています。
でもサウナを良く知らない人からしたら「ととのうってなに?」ってなりますよね。
気持ちが整理されるの?リラックスってこと?
なんかイメージできるような気もするけど、でも具体的にはよくわからない、といったところじゃないでしょうか。
ととのうとは
「ととのう」の意味
「ととのう」とは、ざっくりいうと、
「非日常的な心地よさを得て、こころがリセットされること」
です。
「ととのう」とは「整う」と「調う」のダブルミーニングとなっています。
「整う」とは「乱れがなくなること」を意味し、「調う」は「必要なものを用意すること」を意味します。
サウナ浴をすることによって、こころの乱れがなくなって、活力の度合いが丁度良くなるのです。
「ととのう」ときの感覚
ちなみに「ととのう」ときの感覚である「非日常的な心地よさ」については、サウナーの中でも熱い議論が交わされるくらい正解の無い抽象的な感覚です。
ディープリラックスと表現されることもありますし、サウナトランスと表現されることもあります。
人によって「極上の気持ちよさ」であったり「合法のトリップ感」であったりするのです。
とあるボクシング経験者の人が言うには「ノックアウトされる時の感覚に似ている」のだとか。
私もサウナ仲間とよく議論しますが、ととのうの感覚がまったく一緒だった試しがありません。
正答は無いけど個々人で回答は持っている、というような、なんだか国語の問題の「この時の登場人物の気持ちを記述せよ」みたいな感じです。
要は個々人で持った感覚こそが正解なのだと私個人は思います。
あくまで一例ですが、私がととのったと感じるのは、1回目のサウナ→水風呂後の休憩時に目をつむっている時で、「多幸感を感じながら温かい底なし沼にゆーっくり沈んでいく」ような感覚を得ます。
本当に個人差がありまくりなものなので、最初のうちははととのうことをあまり意識せずにゆっくり安らぐことを堪能することをおすすめします。
何回か通ううちに突然ととのう感覚がやってくるはずです。
その感覚を周りの皆と語り合ってみて下さい。きっと色々な意見があって面白いですよ。
おわりに
最後にちょっと付け足しておくと、「ととのう」という言葉はサウナ界のレジェンドサウナー「濡れ頭巾ちゃん」さんが発明された言葉です。
で、(たぶん)それがタナカカツキさんの著書『サ道』で用いられて作品がヒットしたことによってサウナ界の共通用語となったと思われます。
マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~(1) (モーニング KC)
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なので、逆に言えば普通に何十年も趣味でサウナに通っているおっちゃん達からすると「へ?なにそれ知らん」な言葉なのです。
それでも、「ととのう」という言葉が無い時代から充分サウナは魅力的で効果的なものだったから、いっぱい利用客がいて日本の文化に溶け込んでいるわけです。
「ととのう」は素晴らしい言葉ですが、言葉に囚われすぎて本末転倒になってしまわないように気を付けたいものですね。
えーと、要は何が言いたいかというと、「気楽にサウナを楽しむのが一番!」ってことです。
その楽しむ道のりの途中に「ととのう」が転がっている、そのようなものだと思います。
とはいえサウナの楽しみに彩りを添える魔法のコトバなので、見つけちゃったらもうドップリになると思いますけどね!
レッツ・エンジョイ・サウナ!