ザっくりととのうサウナ入門

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【対談】金春湯(大崎)×清水凜(buGG)、施設ガチファンが施設の人と語り倒した90分!《後編》

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入浴料以外でお客さんがお金を使ってくれるかどうかがとても重要

清水:金春湯の他の魅力としては、クラフトビールを色々置いている施設ってあまりないので良いなぁと思います。

角屋:クラフトビールは僕が好きなのでこだわっていますね。酒屋を通さずに直接ブルワリーから購入しているんです。多い日は30本売れることもありますね。

― 逆に普通のビールは置いていませんよね。

角屋:そうそう、あるときから無くしてみたんですよ。そしたらクレームが入ることも無かったので、今はクラフトビールだけを販売しています。

銭湯は入浴料を決められてしまっているので、それ以外のところでお客さんがお金を使ってくれるかどうかがとても重要なんですよね。ジュースだと数十円の利益ですが、クラフトビールなら利益の幅が大きいので助かっています。

あ、そういえば昔、清水さんがビールを飲んでいるのを見かけて「あれ、この子成人しているかな?」と疑問に思った記憶があります(笑)

清水:未成年の時には飲んでいないですよ(笑) 私が金春湯に通い始めた時は19歳ですけど、成人したらここで飲めるってずっと楽しみにしていたんです。

― Twitterで「ハタチ最初のサウナは金春湯を選んで、そこでお酒を飲もうか迷ったけど結局ラムネにした」って投稿されていましたね。

清水:そうですね、いざその時になったらヒヨってしまいました(笑)

― でもその後に金春湯でクラフトビールを飲むようになったのなら、結構ビールには詳しくなったんじゃないですか?

清水:そうかもしれません。父がクラフトビール好きで、家にも色んなクラフトビールがあるんです。私もビールそのものが好きなので家でも飲みますし、遠征先で地ビールを飲んだりもしますね

― それならお父さんにとっても金春湯はうれしい施設なんですね。

清水:でも金春湯には父が運転して来るので、結局父はサウナに入れず待たされるし好きなクラフトビールもおあずけなんです(笑) 買って帰ったりはしますけどね。



はじめてサウナハットを買ったのも金春湯

― 金春湯は色々グッズを作っていますけど、女性目線で「こんなグッズがあるとうれしい!」というものはありますか?

清水:金春湯でコームが販売されたときは嬉しかったですね。何気に金春湯のグッズは沢山持っているんですけど、初めてサウナハットを買ったのも金春湯なんです。

でも扱い方が悪くて使ううちにどんどん小さくしぼんでしまって、もう頭に入らなくなってしまいました(笑)

角屋:羊毛は扱いが難しいですから、水で洗うと縮んじゃうんですよね。でもそれだけ沢山使ってくれた証拠ですから、それはとてもうれしいです。

清水さんは普段からサウナハットを使用されるんですか?

清水:はい、使いますね。だから金春湯のサウナハットが復活したらいいなぁと思います。

あと、金春湯でサウナを利用した時に渡されるサウナマットがあるじゃないですか。あれにお店のロゴをつけて商品化してくれないかなぁって思っています。

配色がいかにもサウナっぽいのも良いですが、特にサイズが大きめなのが良いんです。体育座りで使った時にお尻も足もカバー出来るサイズなので、すごく良いなぁと。このサイズ感って金春湯ならではですよね。

他のお店だとポリエチレンのサウナマットを販売していたりしますが、私はタオルの質感が好きなんですよね。

角屋:確かに、それは他のお店の商品ともカブらないからアリかもしれませんね。

清水:あとはビニールバッグとかもあったらうれしいです。体操着袋的なバッグの中に入れられるサイズ感で、濡れたタオルとか脱いだものを入れられたら良いなぁと思います。

角屋:それもアリですね。

― 金春湯はオリジナリティ重視だからその二つは良さそうですね。既に売っているものだと金太郎飴とかめちゃめちゃエッジが利いていますもんね。

角屋:これはスタッフと「次何作ろうか?」って話になったときに盛り上がって作ったんですけど、過去イチの大外れですね(笑) 500個くらい作ったんですけど、大量に在庫が余ってしまっています。



― グッズっていう枠で考えると、アイドルもグッズを色々と展開されますよね?

清水:そうですね、私もいま話していて「めっちゃグッズ会議と似ているな〜」と思っていました。私のグループだとアクリルスタンドとかタオル、ネックストラップとかですかね。

あ、思いついたんですが、サウナの回数券を入れるビニールのパスケースがあったらうれしいです!一緒にポイントカードとか小銭を入れられるようなもので、それさえ持っていけばOKみたいな。

角屋:それいいですね。どんなものが作れるかリサーチしてみようと思います。

― やっぱりそういうグッズって入浴料以外の収入源として大事なものですよね?

角屋:そうですね。でもそれだけじゃなく、次は何を作ろうかっていうのがスタッフのモチベーション維持にもなるので、そういう効果としても大きいですね。

― アイドルも自分たちでアイデアを出し合ったりするんですか?

清水:そうですね、グッズ会議で「こんなのあったら良いなぁ」と意見を出し合ったりしますよ。やっぱり色々作れた方がテンション上がりますからね。

― そういえば清水さんはステージ衣装を自作されることもあるんですよね?

清水:はい、生誕祭のときだけなんですけどね。最初の生誕祭のときにノリで衣装を作ってみたら思ったよりウケが良すぎて、それからやめられなくなっちゃいました(笑)



ムラがあるっていうのが銭湯サウナの愛おしい部分だなって思っています

― 清水さんから角屋さんに聞いてみたいことってありますか?

清水:あのー、浴槽のお水やお湯の温度管理って難しいですか?

角屋:いや、基本的には機械で管理しているので簡単ですよ。

清水:たまーにですけど、水風呂の温度がバグってて「今日めっちゃ冷たい!」っていうことがあるんですけど。

角屋:あーそうですね、引いてくる水の温度の影響を受けるので、大元の水が冷たいときだと設定よりも水温が低くなってしまうことがありますね。逆に夏だと大元の水がぬるすぎて冷やしきれなかったり。

清水:シャワーの出だしが「熱っ!」ってなることもあるんですけど、あれは何でですか?

角屋:うちは60℃のお湯と20℃の水を混ぜてシャワーから出しているんですけど、その混ざりにムラが出るときがあって、それで一瞬お湯が熱くなっちゃったりするんです。

清水:へー、そういう仕組みなんですね。でも私にとってはそのムラがあるっていうのが銭湯サウナの愛おしい部分だなって思っています(笑)

角屋:うちは大井町のすえひろ湯も経営していますが、すえひろ湯の方が設備が古いのでムラが出やすいですよ(笑)

清水:すえひろ湯は私も利用しましたけど、リニューアル直後だけあって木の香りがフレッシュでとても良かったです。

― すえひろ湯といえばサウナ室にひとり専用のスぺースがあるのが特徴的ですよね。あれは女性側にもあるんですか?

清水:ありますあります、私めっちゃあそこが好きなんです。最初に見たとき「なんだあそこは?」と気になって速攻で利用しちゃいました。

角屋:やっぱりあそこは人気スぺースで利用者が多いので、特に男性サウナ側はそのスぺースだけ木の劣化が激しいんですよ。

清水:金春湯だとそういう人気スぺースとかあるんですか?

角屋:金春湯は「角」が人気ですよ。L字の真ん中部分です。



― 先ほど角屋さんがサウナの利用者の男女比は5:1だと言っていましたが、お風呂の利用者数の比率はどれくらいなんですか?

角屋:それだと2:1くらいですね。

― 新しい女性利用客を増やすにはどうしたらいいと思いますか?

清水:もう既にサウナにハマっている人か、まだハマっていない人のどちらをターゲットにするかで変わって来るとは思うんですが、ハマっていない人がいきなり町の銭湯に来るっていうのはハードルが高いと思うんですよね。

まずはスーパー銭湯とかスパ施設には行くよっていう人たちを狙うと良いように思います。

― どういうところにハードルの高さを感じるんですかね?

清水:うーん、わからないところが多いんじゃないかなぁと思います。そもそもサウナ付きの銭湯がどこにあるか知らない人も多そうですし。あと、タオルがあるのかシャンプーがあるのかとか、何を持って行ったら良いかわからないとか。

私でも銭湯は「よし、銭湯行こう!」って思わないと行けないですもん。

― 例えば施設HPの目に付くところに「手ぶらでOK!」みたいなことが書いてあったらハードルは下がるんですかね?

清水:あぁ、そうかもしれませんね。どれだけ気軽に来やすくするかっていうのは大事になってくるんじゃないかなと思います。

あとは、りんご湯やぼんたん湯みたいに、特別な企画があると行ってみようかなという気持ちが刺激されるかなと思います。

― あれらの企画ってどうやって実施されているんですか?

角屋:東京都単位でやるものや区ごとにやるもの、施設独自のものがあったります。独自でやるものは知り合いの依頼でやったり、自分たち発案でやったりもします。

清水さんはどこか他の施設でこういう企画が良かったっていうのはありますか?

清水:泥パックを置いてくれたりするのはうれしいですね。

サウナが好きな人に来て欲しいなら「アロマサウナ」とかが良いかもしれません。個人的にはペパーミントが好きなのでその香りがしたらうれしいです(笑)

他には柑橘系のさっぱりする感じとか、ユーカリとかも良さそうですね。SHIROの香水なんかも若い女性に人気ですよ。



今のままの金春湯の魅力がじわじわと広まっていったらいいなぁ

清水:企画湯で言えば金春湯さんのすごいところがあって、りんご湯とかでお湯にりんごがたくさん浮かべられていても、つぶされたりイタズラされちゃうっていうことが全然ないんですよ。

他の施設だとだいたい何かしらイタズラされているので、お客さんのマナーがすごく良いなぁって感動しています

角屋:あ、それは確かにそうですね。うちは特に何もしていないんですけど、皆さん本当にマナーが良くって。

― 施設によっては注意書きだらけのところなんかもありますもんね。

清水:そうそう。そういう貼り紙だらけのところだと、それを見るだけでちょっとリラックスしづらくなってしまいます。

あとマナーでいうと、金春湯のお客さんは使った椅子をちゃんと元の場所に戻すんですよね。

角屋:特に女湯はそうですね。閉店後に清掃を始めるときの状態がすごくきれいだなぁって感じます。とてもありがたいです。

清水:銭湯やサウナが本当に好きな人たちが来ているんだなって感じがしますよね。今のままの金春湯の魅力がじわじわと広まっていったらいいなぁって思います

でも利用者としては混んでほしくないっていう思いもありますけど(笑)

― お店のためにはお客さんが多い方がいいけど、快適に過ごすには多すぎない方が良いという相反するものがありますよね(笑)



― 金春湯でアイドルのライブって出来ないんですか?

清水:ステージじゃないところではやったことがないですけど、新しいですね(笑)

角屋:でもbuGGさんって結構激しく動きますよね? 滑ったりしてちょっと危ないんじゃないかなぁと(笑)

― 何かしらの形でコラボ出来たら面白そうですよね。写真パネルの展示とか、buGGの楽曲をかけるとか。

角屋:そういうのが出来たら面白いかもしれませんね。

清水:女湯の入口にある、あの絵は何なんですか?

角屋:何だかわからないですけど、結構有名なものらしいですよ。どこかのカフェで同じものを見た記憶があります。でもちょっと怖いですよね(笑) いつか変えちゃうかもしれません。

清水:その時は映える絵に変えたらいいかもですね。

あ、あと、サウナ利用者に渡すバッグに一つひとつ名前が書いてあるじゃないですか。色んな名前がついていますけど、あれってどういう風に決めているんですか?

角屋:あれはうちの母が決めているんです。「あおもり」「ぶどう」「ガゼル」とか統一感がないですが、母の独特の感性で名づけられています(笑)

― さてさて、話は尽きないのですが、お時間もそろそろなので今回はこの辺で締めさせて頂きますね。今日はどうもありがとうございました。

角屋:ありがとうございました。

清水:ありがとうございました。新しいグッズ、楽しみにしています(笑)

プロフィール

角屋文隆(かどや ふみたか)
東京都品川区大崎にある銭湯 金春湯の4代目。
10年間メーカーでITエンジニアとして勤務した後、家業である金春湯を継ぐ。
金春湯を継いだ3年後、銭湯経営とシステム開発を事業とする株式会社ユカルを設立。
2022年12月、品川区大井町のすえひろ湯も継業。現在、2店舗の銭湯を経営している。


清水凜(しみず りん)
アイドルグループ「buGG」のメンバー。
2000年3月14日生れ、東京都出身。
趣味はサウナ・アイドル鑑賞・愛犬と戯れること。
サウナ歴は4年、通う頻度は週2~3回。特に高温多湿&暗め&無音のサウナが好き。

・Twitter
https://twitter.com/rin_buGG

・Instagram
https://www.instagram.com/shimizu.rin/

・Instagram(サウナ専用アカウント)
https://www.instagram.com/rintyasannosakatsu/


buGG
予測不可能な自由奔放系アイドル。
年間380本以上ライブに出演しており、パンクサウンドを基調とした楽曲・熱いパフォーマンスを武器に活動中。
6/5(月)恵比寿LIQUIDROOMにてバンドセットワンマン決定!

・Twitter
https://twitter.com/buGG_idol

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・オフィシャルサイト
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